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第一三共株式会社とアストラゼネカが、DS-8201(トラスツズマブ デルクステカン、HER2に対する抗体薬物複合体、ADC)のHER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたグローバル第2相臨床試験(試験名:DESTINY-Breast01)のデータについて、アメリカ・テキサス州で開催中のサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)2019で発表したことを発表しました。

抗体薬物複合体(ADC)」とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

また、今回の試験結果は医学雑誌「The New England Journal of Medicine」のオンライン版に掲載されました。

有効性については、対象患者184名において、主要評価項目である客観的奏効率は60.9 %でした。
客観的奏効率」とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。確定した客観的奏効率を意味します。

また、病勢コントロール率は97.3 %、奏効期間中央値は14.8ヶ月、無増悪生存期間中央値は16.4ヶ月であり、全生存期間中央値はまだ到達していません。

対象患者は、平均で6つの前治療歴(T-DM1(100%)、トラスツズマブ(100%)、ペルツズマブ(65.8%)、その他の抗HER2療法(54.3%)、ホルモン療法(48.9%)などを含む)があり、ADC(5.4 mg/kg)による単剤療法を受けました。

安全性について、対象患者184名において第1相臨床試験と同様の傾向が認められました。グレード3以上の有害事象(発現率 > 5%)として、好中球数減少(20.7%)、貧血(8.7%)、悪心(7.6%)、白血球数減少(6.5%)、リンパ球数減少(6.5%)および疲労(6%)がみられました。

間質性肺疾患(以下「ILD」)については、ILD外部判定委員会により13.6 % が治験薬と関連のあるILDと判定され、内訳はグレード1および2が10.9 %、グレード3が0.5%(1名)、ILDに起因する死亡は2.2%(4名)でした。

現在、HER2陽性の再発・転移性乳がん患者において、既存の抗HER2療法が抵抗性になった際の治療の選択肢は限られているとされ、ADCが実用化されれば、選択肢が増えることになります。
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