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IBMのAI(人工知能)ソフトウェア『Watson for Oncology』(ワトソン・フォー・オンコロジー。Oncology=腫瘍学)。
これを韓国の病院として初めて導入し、来たる10月15日よりがんの診断と治療に活用するーー。

韓国の嘉泉大学吉病院(カチョンダイガクキルビョウイン)が2016年9月8日、そう発表した。

『Watson for Oncology』とは、IBMのコグニティブ(認知型)コンピューティング『Watson』を使った、がん専門医のための治療支援システム。

米国ニューヨークにあるMSK(メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター。1884年、世界最古のがん病院として設立)監修の文献および論拠を始め、290以上の医療ジャーナル、200以上の医学教科書、1200万ページのテキストなど、がん治療に関わる医療情報が格納されている。

このビッグデータと、病院のがん専門医が入力した臨床情報を照らし合わせ、患者の状態の特性を分析。成功率の高さ順にランク付けされた治療法の選択肢を、裏付けとなる証拠とともに提供してくれるのだ。

Watsonでより良い医療へ【日本語字幕付】 - YouTube

IBMによれば、過去1年間に医療学術誌に発表された腫瘍学関連の論文は、全世界で4万4000件。これらすべてを1人の医師が独力で確認できるはずもなく、『Watson for Oncology』の導入は最新医学情報や海外資料を見逃すことなく、目の前の患者のために必要な知見が得られるという点で、がん専門医の大きな助けとなることは想像に難くない。

実際、すでに海外では米国アンダーソンがんセンターを始め、がんの診断や治療にWatsonが積極的に活用されており、米国腫瘍学会は2014年、「Watsonの診断一致率は大腸がんで98%、直腸がんで96%だったのを始め、平均96%に達していた」と発表している。

しかし、日本では法規制の壁により、いまだ臨床の現場で『ワトソン』を使用することは叶わない状況だ。

日本IBM(株)ワトソン事業部ヘルスケア事業開発部長の溝上敏文氏は今年3月に行われたインタビューで、臨床現場への導入の可能性について、「改正薬事法によって(ワトソンが)規制の対象になるのであれば、医療機器として認定を受けることも検討しなければならず、そうなればかなり時間がかかるでしょう」と発言している。

とともに「もしアメリカのように実用化を優先するという動きになれば、倫理審査委員会があってTumor Board(腫瘍委員会)といった会議体があるような大きな病院から展開していけるよう準備を進めています」と同氏。

繰り返しになるが、がんの研究は全世界で行われており、がんに関するものだけでも新たな学術論文が年間4万件以上も発表されているのだ。
政府には「患者ファースト」で、一日も早い対応を望みたい。

引用・参照

http://s.japanese.joins.com/article/473/220473.html
http://www.ibm.com/smarterplanet/jp/ja/ibmwatson/watson-oncology.html
http://epilogi.dr-10.com/articles/1427/
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