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理研などの研究グループは、200ナノメートル(nm, nmは10億分の1メートル)の構造を解像できる高解像度X線イメージング検出器の開発に成功したことを発表しました。このX線イメージング検出器は世界最高の解像力を有し、これまでにない精細なX線画像を得ることができるものとなっています。 

 X線画像を高解像度で取得したい場合、薄膜シンチレーターでX線を可視光に変換したのち、レンズで拡大、撮像する方法が用いられますが、これまで500ナノメートル前後の構造の解像が限界とされてきました。 
しかし、研究グループは、X線が可視光へ変換された後の結像過程に注目し、解像度の飛躍的な向上を目指しました。特に、接合層の無い透明な5マイクロメートル(µm, µmは100万分の1メートル)厚の薄膜シンチレーターの開発に成功し、光学特性を大きく向上させることに成功しました。

その結果、X線撮像の理論限界に近い200ナノメートルの解像力を実現しました。また、この性能を用いて、超大規模集積回路(VLSI)デバイス内部の300ナノメートル幅配線の撮像が可能に。VLSIの内部微細配線を非破壊かつ実用レベルの画質で可視化したのは世界で初めてとされます。 

 今回の結果は、開発されたX線画像検出器により簡単に解像度の高い透視像が得られることを示唆するのです。SPring-8といった大型放射光施設だけでなく、小型X線源を用いた電子デバイスの非破壊検査などの分野で実用化が期待されます。 

 この研究は、アメリカの科学雑誌『Optics Letters』(3月15日付け)に『Development of an X-ray imaging detector to resolve 200 nm line-and-space patterns by using transparent ceramics layers bonded by solid-state diffusion』というタイトルで掲載されています。また、同雑誌のEditor's pickに選出されました。

研究チーム

<高輝度光科学研究センター>
- XFEL利用研究推進室 先端計測・解析技術グループ 計測技術開発チーム-
 研究員:亀島 敬

-利用研究促進部門 イメージンググループ- 
 グループリーダー:上杉 健太朗 
 主幹研究員:竹内 晃久

<理化学研究所 放射光科学研究センター>
-XFEL研究開発部門 ビームライン研究開発グループ- 
 グループディレクター:矢橋 牧名

- データ処理系開発チーム -
 チームリーダー:初井 宇記  
 客員研究員:工藤 統吾

-理論支援チーム -
 チームリーダー:玉作 賢治

-利用システム開発研究部門 物理・化学系ビームライン基盤グループ放射光イメージング利用システム開発チーム -
 チームリーダー:香村 芳樹

<神島化学工業株式会社 セラミックグループ> 
 グループマネージャー:柳谷 高公  
 チームリーダー:村松 克洋
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