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第一三共株式会社が、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC))について、HER2陽性の胃がんに係る効能又は効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請を国内において行ったことを発表しました。

この申請は、トラスツズマブを含む2つ以上の前治療を受けたHER2陽性の進行・再発胃がん患者または胃食道接合部腺がん患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-Gastric01、日本及び韓国で実施)および日米共同第1相臨床試験の結果に基づくものです。

この薬剤は、厚生労働省よりがん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する治療として、先駆け審査指定*2を受けています。なお、トラスツズマブについては、現在、HER2陽性の胃がんに加え、HER2発現乳がん、非小細胞肺がん及び大腸がん等を対象とした臨床試験を実施中とされています。

<参考>
*1「抗体薬物複合体(ADC)」とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2「先駆け審査指定制度」とは、世界に先駆けて革新的医薬品や医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の日本での早期実用化を目指す「先駆けパッケージ戦略」(平成26年6月17日厚生労働省取りまとめ)の重点施策の1つで、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して極めて高い有効性が期待される医薬品や再生医療等製品等を指定し、日本の患者に世界で最先端の治療薬を最も早く提供することが目指されています。開発早期の段階から一定の要件を満たす画期的な新薬等が指定され、薬事承認に係る相談・審査において優先的な取扱いとなっています。

胃がんについて

胃がんは、世界で5番目に多いがん種であり、がん種別死亡数は第3位です。2018年の調査において、世界の新規患者は約100万人/年、死亡数は約80万人/年でした。世界の胃がん症例の約半数を東アジアが占め、胃がん発症率は韓国が第1位、日本が第3位となっています。

胃がんの約2割にHER2(がん細胞の成長を促進するたんぱく質)が過剰発現していますが、トラスツズマブに抵抗性となったHER2過剰発現の胃がんでは、他の抗HER2療法が存在しないため、高いアンメット・メディカル・ニーズがあります。
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