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医療再生 日本とアメリカの現場から (集英社新書) | 大木 隆生 |本 | 通販 | Amazon

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第2章 日本の医療はなぜ崩壊したのか

医療崩壊=勤務医崩壊

 大木医師が2006年にアメリカから戻ってきた時、日本では「医療崩壊」が起きていたそうです。その原因として挙げられていたのは「医師不足」ですが、医師数は年々増えていたのです。ところが、国や自治体、病院、大学病院に努める「勤務医」が年々減っていたのです。そのために患者の「受け入れ不能」が起きていて、「医療崩壊」と呼ばれたのです。

 年収2000万円に至っている勤務医はおよそ1%とされている。ところが、開業医は平均年収が2532万円です。それに勤務医の労働時間は週に80時間を超えることが約40%とされます。それでも勤務医は必死に医療現場を支えていた。それが医療バッシングによって、萎えてしまったようなのです。

医療に警察が介入する国

 事故調査委員会によって「執刀医の判断ミス」と認定された事故のために、メディアが大きく報じました。その頃から、医療バッシングが激しくなりました。その医師は警官に逮捕されます。もちろん、その医師は裁判で無罪になりましたが、2年後にその判決が下りました。もし医療行為の疑義を調査するOPMCが日本にもあったらそれほど時間がかからなかったのではないか、と大木医師は言います。

 日本でも2015年にOPMCに該当する医療事故調査・支援センターが立ち上げられました。どの程度機能するかを見守っていく必要がありそうです。

医療事故報道への過剰な反応

 医師と患者が対等な関係であることは当然ですが、テープレコーダーやICレコーダーで医師の話を録音する患者が出てきているようです。それにモンスターペイシェントも出てきています。

そのような患者が増えると、医師は防衛的になり、信頼ベースの医療は不可能になりかねません。そのため日本の病院でも、インフォームドコンセントの徹底が業務命令として出される傾向が明らかになっています。医師が「いい訳をしている」ように思われる説明がはじまってしまうのです。

雑務に追われ疲弊する勤務医&リスクを避け病院を去る医師たち

 日本もアメリカに右習えで訴訟社会になってきたため、医者は手術のリスクをすべて記した書類を山ほど用意し、承諾書を作り、診断書を保険会社用に書き、あるいは紹介状を書く必要があり、事務作業に追われています。
 過酷な労働環境のために病院をさった勤務医たちは、開業医になります、一昔前と異なり、開業医も多くなりすぎているようです。

第4章 意識改革で外科医局再生

疲弊しきった外科医局

 大木医師が慈恵医大病院に戻ってきた2006年は医療崩壊が顕著だったときで、大木医師の外科医局は入局者よりも対局者が多くなっており、手分けして行われていた業務も一人で行わなければならなくなっており、残業時間も多くなっていた。

一般の若手医局員は大学病院外の病院に日勤に出なければ生活ができない給与水準のため、残業時間が増えることは、死活問題だったのです。しかし、どれだけ本気で働いても外に出ればバッシングの嵐。医療現場はこれでは保ちません。

トキメキと安らぎのある村社会& 理不尽を極力排除した人事& ロールモデルのいる職場

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