【第1弾】行ってきた! inochi学生・未来フォーラム2017レポート-落合 陽一氏の講演 | PULSE

【第1弾】行ってきた! inochi学生・未来フォーラム2017レポート-落合 陽一氏の講演 |  PULSE
inochi学生・未来フォーラムレポート第1弾! 2014年から活動しているinochi学生プロジェクトと一般社団法人inochi未来プロジェクトによって、2017年11月23日に大阪・梅田で「inochi学生・未来フォーラム」を開催されました。

inochi学生・未来フォーラム2017、第1部スタートです!

4部構成で展開されたinochi学生・未来フォーラム2017レポートの第2弾。

------プログラム------
KEYNOTE SPEECH:落合陽一さん「デジタルネイチャーに夜、いのち輝く未来社会のデザインの達成」
第1部:「私たちが始める ヘルスケアの未来」
第2部:WAKAZO Project「若者が切り開く いのち輝く未来社会」
第3部:inochi未来フォーラム2017「関西から始まるヘルスケアイノベーション」
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第1部「私たちが始める ヘルスケアの未来」Part A inochi 学生フォーラム2017「認知症に立ち向かう、ともに歩む」とPart B inochi Girls' Project「働く女性の、心を守る」のレポートをお送りします。

Part A | inochi 学生フォーラム2017「認知症に立ち向かう、ともに歩む」

計44チームから勝ち抜いた6チームのグランプリを決定する

第1部のPart Aは、inochi 学生フォーラム2017「認知症に立ち向かう、ともに歩む」セッションで、学生が「認知症の社会課題の解決」プランを競うコンテストの最終プレゼンを行うパートになっていました。

このプランコンテストのおもしろい点は、「プランだけではなく、実行すること」がセットになっている点です。最終選考に進んでいる6チームは、PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Act)を数周してきていることがプレゼンテーションからうかがえました。つまり、アイディアをつくりだすことだけでなく、その先の「社会実装」までも視野に捉えているのです。より精確に言うと、どのチームも「プレ社会実装」まで済ませている状態でした。ひょっとしたら「PDCAの結果を評価するコンテスト」と言った方が適切かもしれません。

------選考6チーム------
1.一転攻勢:MAMORU
2.Yajin:昭和時代〜思い出して認知症対策〜
3.たられば:TAWS-taking along without stress-
4.YESx:若者と認知症高齢者をつなぐストーリーコンテスト
5.R.O.D.:にんちしようカルタ
6.うえしのぐ:こえつなぐ

(チーム名:タイトル)
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1.一転攻勢:MAMORU
チーム「一転攻勢」は、認知症患者の災害時における生存率の低さに着目し、IoTデバイス「MAMORU」でいのちを守ることを提案していました。特許出願の都合上、あまり多くの情報は掲載できないようですが、地震速報のような災害情報を4G回線とBlue Toothで取得できるMAMORUは、情報を受け取ると使用者に「地震が発生しました。部屋の外に出てください」と警告します。「部屋の外に出てください」と促すことで、患者の行動が変わるとされていました。すでに介護施設での実証実験を済ませており、実用性については確認されています。


2.Yajin:昭和時代〜思い出して認知症対策〜
チーム「Yajin」は、いまの高齢者がわかい時にあったことを日めくりカレンダーに記載することで、脳の記憶野を活性化させ、会話の種をうむことをプランとしていました。実際のカレンダーも改良を重ねながら、形になってきています。さらに、このカレンダーは、認知症患者に配慮した、コンテンツデザインがなされています。加えて、カレンダーには認知症や介護に関する、情報が書かれており、認知症の当事者以外にも有用なものとなる工夫が施されています。


3.たられば:TAWS-taking along without stress-
チーム「たられば」は、血糖値測定によって食事を関知し、服薬を促すシステムを提案しました。飲み忘れや飲み過ぎを防止するためのアラートを搭載したシステムで、その場にいなくとも関係者が情報を得られるようにもなっています。24時間バイタル測定をすることも可能で、健康管理も容易にできます。これはとりわけ認知症と糖尿病を併発した人に効果抜群のシステムで、服薬忘れによる病気の悪化を防ぐことができるとされています。
4.YESx:若者と認知症高齢者をつなぐストーリーコンテスト
チーム「YESx」は、認知症に関するポジティブな情報発信をする場を設け、他の世代、とりわけ若い世代と高齢者がつながる場づくりを提案しました。高齢認知症患者の家族へのヒアリング、高齢者施設でのヒアリング、学生への認知症患者へのヒアリングといった調査を綿密に行い、認知症患者があかるく生きる様を広げる、ストーリーコンテストの開催を、目指していました。プレ的なストーリーコンテストをすでに2回開催してきているようです。


5.R.O.D.:にんちしようカルタ
チーム「R.O.D」は、まず中学校の生徒に認知症についてのアンケートを実施し、「認知症」という単語を知っているが、その内実についてよく理解されていないという現状に、目を向け、若いうちから認知症についての正しい知識をつけてもらうことを目指し、「カルタ」を作成しました。このカルタは専門家の助言の元で作成されており、マイナスの作用をできるだけ排除した形にまとめられています。


6.うえしのぐ:こえつなぐ
チーム「うえしのぐ」は、Google社が10月に発売したスマートスピーカー「GoogleHome」に、LINEやYouTube、音声から感情を読み取るシステム「empath」を連動、搭載し、認知症の介護者と医療従事者のサポートをすることを目指しました。さらに今回こえつなぐの開発にあたり、チームうえしのぐは無償でこのシステムを使用できる許可を取得しています。また、プロトタイプを使った実証実験によると、このこえつなぐを利用すると関係者のストレスが緩和されることがわかっています。

Part B | inochi Girls' Project「働く女性の、心を守る」

働く女性の心を守る-ストレスマネジメント対策「ほぐれて、八木さん」

ほぐれて、八木さん

ほぐれて、八木さん

かわいい…
inochi学生・未来フォーラム2017の、第1部 Part B inochi Girls' Project「働く女性の、心を守る」では、女性がはたらく上で受けるストレスマネジメント対策についての取り組みが言挙げされていました。

今年、2017年の5〜6月に142名の女性にアンケートを実施し、6〜7月に認知行動療法に基づいたストレスマネジメントを目指したe-learning教材を作成し、8〜9月に実践的に運用されました。

その作成されたe-learning教材は、「ほぐれて、八木さん」。(「ほぐれて、八木さん」…???)

この「ほぐれて、八木さん」は、6つのlessonから成っています。

------6つのlesson------
lesson1.「ストレスと上手に付き合っていこう」

lesson2.「自分のストレス度知ってる?」

lesson3.「セルフチェックで自分のタイプを知ろう」

lesson4.「八木さんと学ぶ会話講座」

lesson5.「あなたを支配する隠れた考え方のクセとは?」

lesson6.「自分の考え方を日記で振り返ろう」
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lessonをすすめていくほどマスコットキャラクターの八木こころさんがほぐれていき、癒し度が上がっていきます。このe-learning教材を短期間使用した人の間では、ストレスの原因子と考えられる質的面における心理的な仕事の負担感が低下し、ストレスによって起こる心身の変化としては「活気」の上昇が見られました。

長期的な運用実験はまだ行われておらず、さらなる効果の測定が待たれますが、ストレスマネジメントにおけるセルフケアへの関心の上昇は6割以上の被験者で確認されており、心的ストレスへの対応に期待ができる結果が得られたようです。

編集後記

「PDCAの結果を評価するコンテスト」には、「グランプリ」が存在します。そしてグランプリは一枠だったところ、同率1位がふたつあり、グランプリ受賞チームがふたつになりましたが、PULSEのレポート上では、グランプリについてあえて触れませんでした。それはこのイベントにおける審査員と会場の小さな票にしたがって、優劣をつけるべき-順位と言った方がいいかもしれません-内容ではない、と斉藤が判断したためです。

どのチームのプラン・発表内容も洗練されたものでした。甲乙つけがたいものばかりだったため、審査員の方々も苦慮したものと思いますが、このレポート上では取り立てて触れる必要はないと判断しました。

そういえば、「うえしのぐ」というのは「飢えをしのぐ」ことを意味するかと思ったのですが、おそらく「上の世代を、凌ぐ」ことを意味するのでしょう。感服しました。というのも、これYES×以外、中高生のチームなんです。びっくりしちゃいますよね。


閑話休題。認知症や医療の”イマ”に対して、切歯扼腕するのではなく、「アクションを起こす」。そんな若い世代の登場は、きわめて心強くないでしょうか。現在の「コンピューターは発展してい」て「ロボティクスはそこらじゅうにある」世界においては、年齢なんて関係なく、いやむしろ若いデジタルネイチャー世代こそが、問題解決の起点になっていくのではないか、と思わずにはいられませんでした。

「最近の若者は」というのは大人の社会に瀰漫したなんとなく厭な雰囲気を漂わせる言葉ですが、「最近の若者が」とポジティブに語っていけるようなそんな社会の到来すら予感させる脈動を感じました。それにそんな社会こそが私たちの方途であると願ってやみません。(文責:斉藤 亮太)
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