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ロート製薬株式会社が、COVID-19重症肺炎を対象とした他家間葉系幹細胞を用いた再生医療の企業治験の計画を進めていることを発表しました。

治験に用いられる「ADR‐001」(他家間葉系幹細胞を構成細胞とする細胞製剤)は、ロート製薬が原材料の調達から生産までを国内で行う製剤で、他家間葉系幹細胞を用いたCOVID-19重症肺炎に対する治験に国産の製剤を用いるのは初めてとされます。

背景

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関するこれまでの報告では、およそ2割が重症化し、この重症化には感染者の免疫細胞がウイルスと戦うために作るサイトカインが制御不能となって放出され続ける「サイトカインストーム」と呼ばれる現象が関わっていると言われています。

また、サイトカインストームが発生した場合、新型コロナウィルスそのものの排除のみならず、サイトカインストーム状態に対する治療が必要と考えられています。この治療法の一つとして、間葉系幹細胞を用いた治療が世界中で試されており、効果があると推測できる報告が複数あります。

ADR-001について

ロート製薬が開発を進めている、「ADR-001」は、他家脂肪組織由来幹細胞を構成細胞とする細胞製剤です。動物由来のウイルス感染のリスクを考え動物由来原料を含有せず、脂肪由来幹細胞の能力を最大限に引き出す独自の無血清培地で脂肪組織に含まれる幹細胞を培養しています。

脂肪組織は組織中に多くの間葉系幹細胞を含み、採取時の侵襲性が比較的低く、手術時など余剰組織となるケースもあることから、比較的入手が容易であり、他家脂肪細胞による同種移植のため、必要な患者に迅速に提供できるメリットがあります。

ロート製薬では、このADR-001の開発を進め、非代償性肝硬変に対する治験を実施しておりました。そのため、ADR-001の静脈内投与に対する安全性に関するデータが蓄積されました。ただし、非代償性肝硬変患者での結果であることから、COVID-19重症肺炎患者での安全性は別途確認する必要があると考えています。
また、ADR-001は、活性化したマクロファージでの炎症性サイトカインの産生抑制をin vitroで確認するなど、感染性の炎症に対する効果も確認されています。
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