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アステラス製薬株式会社が、オピオイド使用障害(Opioid Use Disorder: OUD、麻薬性鎮痛薬であるオピオイドへの依存や乱用)の治療における追加維持療法として、経口投与可能な低分子GABAB受容体陽性アロステリック修飾物質(GABAB receptor Positive Allosteric Modulator: GABAB PAM)であるASP8062の安全性評価を主目的とした2つの第I相試験を進めています。

このたび、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下のアメリカ国立薬物乱用研究所(National Institute on Drug Abuse: NIDA)から、これらの試験に対する助成金を獲得しています。

アメリカではオピオイドの過剰摂取が社会課題となっており、2018年には46,802人の命が失われています。2017年10月、連邦政府は連邦法に基づきオピオイド危機を公衆衛生上の非常事態にあると宣言しました。今回の助成金は、オピオイド依存症を断ち切ることを支援する長期的なNIHの取り組み「NIH Helping to End Addiction Long-TermSM Initiative: NIH HEAL InitiativeSM」の一つです。

NIH HEAL InitiativeSMは、オピオイドの慢性使用状態への進行、離脱症状、渇望、再発および過剰摂取などのオピオイド中毒サイクルをあらゆる観点で治療するための、あらたな医薬品および医療機器の開発加速化を目的とした活動です。

アステラス製薬は、オピオイド危機に対する新たな治療法の研究開発を進め、前臨床試験においてASP8062がオピオイドの自己投与を減少させたことなど、各種依存症モデル動物におけるASP8062の有用性を示唆したデータに基づいてNIDAに助成金を申請しました。ASP8062のデータはNIDAがOUD治療の観点からGABAB PAMを「最も望まれる10種の薬理作用機序」の一つに選択した要因となった学術論文の内容と合致しています。

さらに「PAM」化合物は、受容体に直接作用するアゴニストに共通して認められる多くの副作用を伴うことなく、内因性アゴニストの作用を促進し、オピオイドの自己投与や薬物探索行動を減少させることが報告されており、今後の臨床試験における良好な治療成績が期待されます。

2020年4月、OUDに対するASP8062の治験許可申請をFDAが承認したことから、アステラス製薬はASP8062の第I相試験に対する助成金をNIDAから正式に受領しました。第I相試験における安全性が実証された場合には、次の段階として、ブプレノルフィン(BUP)療法施行中のOUD患者におけるASP8062の安全性と有効性(オピオイド使用量の減少)を評価するための無作為化二重盲検第II相試験に対して、2回目の助成金が授与される予定です。
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