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武田、グルテンによる自己免疫反応を抑え込む研究の契約締結

武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)とPvP Biologics, Inc.(以下、PvP社)が、あたらしい酵素製剤KumaMaxの開発で提携したと発表した。

KumaMaxはグルテンに対して発動される、体内に入った異物を取り除こうとする自己免疫反応を活性化させる成分を胃の中で分解する働きを持っている酵素製剤となっている。つまり、グルテンによって起こるつらい症状や消化器系の損傷を防ぐことができる。

グルテンによる病

グルテンが小腸まで至り、自己免疫反応が深刻化するとセリアック病という病を発症する恐れがあると言われています。

このセリアック病の唯一の治療法は、グルテンを絶対に摂取しないことで、そのための厳格にグルテンを除去された食事を摂ることとなります。

しかし、もし誤ってグルテンを摂取してしまえば、極めて深刻な状態に陥る恐れがあります。このKumaMaxを摂取していれば何かの間違いでグルテンを摂取してしまっても、小腸に届く前にグルテンが分解され、免疫反応が抑制されるという。

武田のAsit氏のコメント

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武田薬品のGastroenterology Therapeutic Area Unit HeadであるAsit Parikh氏は、「このたびのPvP社との提携は、当社のセリアック病に対する治療法の開発を強化するものです。セリアック病の患者さんは、グルテン除去食療法によりグルテンの摂取を防ごうとされていますが完全には防ぎきれず、慢性的な衰弱症状に苦しまれています。KumaMaxは、こうした切実なアンメットメディカルニーズに対応できると期待されています。PvP社のマネジメントチームは、慢性的な炎症性消化器系疾患を対象とした製品の開発を見事に成功させた豊富な経験と実績を有しており、同社と提携できることを嬉しく思います」と述べ、契約を歓迎している。

PvP社長の山田氏のコメント

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PvP社会長の山田忠孝氏は、「セリアック病は、わずかなグルテンの摂取でも小腸に損傷をもたらし得る自己免疫疾患です。KumaMaxは、前臨床試験において、グルテンを非常に効率的かつ効果的に分解できる可能性を示しました。これは、何百万人もの患者さんの生活を脅かす疾患に対する経口治療薬として大きな可能性があることを示唆しています」と開発への意欲を示した。

VIEWS

セリアック病は、100人に1人が発症すると推定されており、急性の消化器の異常や、栄養失調、虚弱体質、発達障害といった健康障害をもたらす恐れがある。

さらに、この病は、年齢に関係なく発症し、適切な治療が行われない場合、さらに重篤な健康上の問題が引き起こされる恐れがあるとされており、アンメットメディカルニーズが潜在的に存在していた。

今回の武田薬品とPvP社の契約に基づく研究で治療法が確立された場合、人類はまたひとつの病を克服したことになる。(斉藤 亮太)
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