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 中外製薬株式会社が、「ROS1 融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌」を対象として開発中のROS1/TRK阻害剤エヌトレクチニブの製造販売承認申請を、厚生労働省に行ったことを発表しました。

 上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「エヌトレクチニブにより、先駆け審査指定制度のもと申請した非常に稀なNTRK 融合遺伝子陽性の固形がんとともに、1~2%で発現するROS1 融合遺伝子陽性の非小細胞がんに対する治療選択肢として承認取得を目指し、引き続き個別化医療の進展に貢献できるよう取り組んでまいります」と語っています。

 今回の承認申請は、オープンラベル多施設国際共同第II相臨床試験(STARTRK-2試験)および海外で実施した三つの第I相臨床試験(STARTRK-NG試験、STARTRK-1試験、ALKA-372-001試験)の統合解析結果に基づいています。その試験の有効性評価は、ROS1 融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの患者53名を対象として行い、安全性評価はこれら四つの試験に登録された355名で行われました。
<エヌトレクチニブについて >
エヌトレクチニブは、国内で「ROS1 融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌」、および「NTRK 融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性固形がん」を対象として承認申請中の薬剤です。

エヌトレクチニブは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なチロシンキナーゼ阻害剤であり、脳転移巣への作用も期待されています。

エヌトレクチニブは、ROS1およびTRKキナーゼ活性を阻害することにより、ROS1 またはNTRK 融合遺伝子を有するがん細胞の増殖を抑制します。

FDAは、NTRK 融合遺伝子陽性の固形がん、およびROS1 融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんへのエヌトレクチニブの投与を、優先審査に指定しています。



 ROS1 融合遺伝子は、何らかの原因によりROS1 遺伝子と他の遺伝子(CD74 など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。

ROS1 融合遺伝子から作られるROS1融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。

ROS1 融合遺伝子は、非小細胞肺がん患者さんの約1〜2%に認められ、その中でも腺がんでより多く発現しています。
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