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中外製薬株式会社が、テセントリク®に関する第III相臨床試験であるIMpassion031試験において、主要評価項目を達成したことを発表しました。

IMpassion031試験は、早期のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の術前薬物療法において、テセントリクと化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)、ドキソルビシン、シクロホスファミド]の併用と化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)、ドキソルビシン、シクロホスファミド]単独とを比較する試験です。

この試験は、PD-L1の発現状況を問わない早期TNBC患者集団において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある病理学的完全奏効(pCR:pathologic complete response)の改善を示し主要評価項目を達成しました。IMpassion031試験は、TNBCにおけるテセントリクの有用性を示した2つ目の試験であり、早期TNBCにおけるテセントリクの有用性を示した初の試験となります。

また、テセントリクと化学療法の併用における安全性は、これまでにそれぞれの薬剤で認められている安全性プロファイルと同様であり、この併用療法による新たな安全性上の懸念は示されませんでした。

IMpassion031試験の成績は、今後の医学系学会にて発表される予定です。また、今回の試験結果については、アメリカ食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)を含む規制当局と協議予定です。

IMpassion031試験について

IMpassion031試験は、術前薬物療法の早期TNBCを対象とした多施設共同二重盲検ランダム化第III相臨床試験です。この試験では、テセントリクおよびパクリタキセル(アルブミン懸濁型)に続いてドキソルビシン、シクロホスファミドを併用する群と、プラセボおよびパクリタキセル(アルブミン懸濁型)に続いてドキソルビシン、シクロホスファミドを併用する群を比較し、有効性および安全性を評価するものです。

333名の患者が、1:1の割合で無作為にそれぞれの群に割り付けられました。主要評価項目は、ITT解析集団およびPD-L1の発現が認められる患者における病理学的完全奏効(pCR)であり、American Joint Committee on Cancer(AJCC)の病期分類システムを使用して評価しました。

トリプルネガティブ乳がんについて

日本人女性における乳がんの年間罹患者数は92,200人(2019年予測値)、また死亡者数は15,100人(2019年予測値)と推計されています。トリプルネガティブ乳がんは、全乳がんの約15%を占め、他のタイプの乳がんに比べ、50歳未満の女性に多いことが特徴です。

トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン受容体(エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体)の発現やヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)の過剰発現を伴わない悪性腫瘍と定義され、他のタイプの乳がんに比べ一般的に増殖能が高く、生存期間が短くなると言われています。
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