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アステラスのペフィシチニブ臭化水素酸塩

 アステラス製薬株式会社が、このたびペフィシチニブ臭化水素酸塩について、既存の治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)の適応症で、日本において製造販売承認申請を行ったことを発表しました。

 ペフィシチニブは、アステラス製薬が創製した経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であり、種々の炎症性サイトカインによる細胞内シグナル伝達を阻害することで、関節リウマチにおいて関節の炎症や破壊を引き起こす細胞の活性化や増殖を抑制する作用を有します。
今回の申請は、主に既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした2つの第III相試験(RAJ3およびRAJ4)の結果に基づいています。RAJ3試験*1 では、「投与12週時におけるACR*2 20改善率(関節リウマチに関する特定の評価項目が20%以上改善された患者の割合)」を主要評価項目とし、RAJ4試験*3 では、「投与12週時におけるACR20改善率」および「投与28週時の関節破壊抑制効果(mTSS*4 のベースラインからの変化量)」を主要評価項目としし、申請が行われました。

いずれの試験も、プラセボ群に対する優越性を示し、主要評価項目を達成しました。なお、両試験の安全性の解析結果は、これまでの臨床試験で認められた安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。両試験の結果の詳細は今後の学会等で発表する予定とされます。

 日本における関節リウマチ患者数は、約70~80万人と言われています。アステラス製薬は今回の承認申請により、メトトレキサート(MTX)を含む疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)*5 等の既存の治療薬で効果が不十分な関節リウマチ患者に新たな治療選択肢としてペフィシチニブを提供することで、日本における治療の発展が期待されます。

参考

*1 RAJ3 試験: 本試験は国際共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。日本、韓国および台湾の医療 機関において、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)* 5 で効果不十分な関節リウマチ患者約 500 名が組み入 れられました。DMARDs を併用、あるいは非併用時のペフィシチニブ(100 mg、または 150 mg を 1 日 1 回)の 有効性について、投与 12 週時の ACR*220 改善率を主要評価項目としてプラセボ群と比較しました。
*2 ACR: 米国リウマチ学会(ACR: American College of Rheumatology)が提唱した、抗リウマチ療法に対す る効果の測定に用いる評価基準のこと。例えば、関節リウマチに関する特定の評価項目が 20%以上改善され たことを ACR20 と表します。
*3 RAJ4 試験: 本試験は無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。日本の医療機関において、メトトレキサー ト(MTX)で効果不十分な関節リウマチ患者約 500 名が組み入れられました。MTX を併用時のペフィシチニブ (100 mg、または 150 mg を 1 日 1 回)の有効性について、投与 12 週時の ACR20 改善率および投与 28 週 時の関節破壊抑制効果(mTSS*4 のベースラインからの変化量)を主要評価項目としてプラセボ群と比較しまし た。
*4 mTSS(modified Total Sharp Score): 関節リウマチにおける手足の各関節の経時変化を評価する時に 広く使われているスコアリング方法。手足の X線写真を用いて関節リウマチ患者の関節破壊の進行度を評価す る手法です。
*5 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs: disease modified anti-rheumatic-drugs): 炎症自体を抑える作 用は持たず、関節リウマチの免疫異常を修飾することによって関節リウマチの活動性をコントロールする既存の 薬剤の総称。
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