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武田薬品工業株式会社が、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブ(製品名:Entyvio®、国内製品名:エンタイビオ®)が中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に生物学的製剤で抗TNFα抗体のアダリムマブと直接比較して52週時点で有意に高い臨床的寛解の達成を示した臨床第3b相試験であるVARSITY試験から、さらに詳細な結果が得られたことを発表しました。

新たな探索的データでは、ベドリズマブ静脈内投与群はアダリムマブ皮下投与群と比較し、14週時点でより多くの患者が臨床的改善を達成しました(ベドリズマブ群:67.1%、アダリムマブ群:45.9%)。2群間では、6週時点の早期の段階から、ベドリズマブ群の方が良好な形で改善に相違が見られました。これらの結果は、2019年のアメリカ消化器病週間(DDW:Digestive Disease Week)の年次総会(5月18~21日、カリフォルニア州、サンディエゴ)において、ベドリズマブ関連の18のプレゼンテーション用の抄録の1つとして受理され、Distinguished Abstract Plenary Lecture Presentationで発表されました。

同会で、「組織学的疾患活動性の消失に関する追加の探索的データ」についてもで発表されました。組織学的疾患活動性は、消化管内の顕微鏡的炎症の程度を評価する評価項目です。

組織学的疾患活動性の消失は、予め定義された重症度の閾値を下回った場合に達成と判定されます。VARSITY試験では、Geboes Scoreが3.2未満、およびRobarts Histopathology Indexが5未満で組織学的疾患活動性は消失と判断され、それぞれの基準において、アダリムマブ群の13.7%および25.6%と比較して、ベドリズマブ群ではそれぞれ33.4%および42.3%の患者で組織学的疾患活動性の消失を達成しており、ベドリズマブ群における一貫した結果が認められています。

VARSITY試験の治験責任医師で、ニューヨークのDr. Henry D. Janowitz Division of Gastroenterology at Mount Sinai Hospital and the Icahn School of Medicine at Mount SinaiのChiefであるBruce E. Sands博士は、「VARSITY試験からの探索的データは、ベドリズマブ群はアダリムマブ群と比較して、より多くの患者さんで症状における早期の改善や顕微鏡的な腸炎の改善が認められたことを示しています。実臨床では、早期の症状改善と、臨床的寛解の達成に向けた患者支援という長期の治療目標のバランスが必要であるため、今回得られた所見は医師にとって非常に重要なものです」と述べています。

<VARSITY試験について>

VARSITY試験は、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、多施設共同、実薬対照の臨床第3b相試験で、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、ベドリズマブ静脈内投与群とアダリムマブ皮下投与群を比較し、52週時点における有効性および安全性について評価する試験です。

この試験では769名の患者が無作為に割り付けられました(ベドリズマブ群 n=383、アダリムマブ群 n=386)。

すべての患者が、登録前に副腎皮質ステロイド、免疫調節薬、またはアダリムマブ以外の一つのTNFα薬に対して効果不十分、効果減弱または不耐性を示していました。

患者は、ベドリズマブ300 mg静脈内投与とプラセボ皮下投与を行う群、もしくはアダリムマブ160 mg皮下投与とプラセボ静脈内投与を行う群のいずれかに無作為に割り付けられました。いずれの投与群においても、試験期間中の用量漸増は認められませんでした。
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