NEWS

ロート製薬がこれまで分からなかったタウリンとビタミンAのはたらきを解明

ロート製薬株式会社が、一般用点眼薬の有効成分として用いられるタウリン(アミノエチルスルホン酸)とビタミンA(レチノールパルミチン酸エステル)が角膜上皮幹細胞における酸化ストレスからの角膜幹細胞保護のはたらきと、そのメカニズムにおけるアポトーシス(細胞死)を抑制するメカニズムを解明したことを発表した。

この研究の結果は第70回日本酸化ストレス学会学術集会で発表された。同社は、この研究成果に基づき、角膜上皮を再生させることが可能となるこの技術で、あらたな点眼薬の開発を行っていくとしている。

角膜幹細胞で何が起きているのか

一般的な目薬の有効成分であるタウリンは代謝の促進、ビタミンは「角膜上皮細胞」の増殖を助けるはたらきがあると知られている。ところが、角膜幹細胞上でどのような作用をするのかは研究が深まっていなかった。

角膜幹細胞は角膜上皮細胞に成長する元となる細胞で、角膜と結膜の境目に存在している。日々、新たな角膜上皮細胞が生み出され、角膜上皮層の正常なターンオーバーと恒常性の維持を担っている。

角膜幹細胞がダメージを受ける主な原因は、外傷によるものとされているが、加齢とともに体内の酸化ストレスが増加することや、抗酸化力が低下することも原因の一つになるとされている。

今回、ロート製薬は、加齢に伴う角膜幹細胞へのダメージに効果的な点眼薬の開発を目指して、角膜幹細胞に酸化ストレスを与えることで細胞死を起こす加齢を想定したモデルで、タウリンとビタミンAの作用について検討を行ったという。

実験の結果から

実験では、1)酸化ストレスによって角膜幹細胞はアポトーシス(細胞死)する。しかし、タウリンとビタミンAを有効に配合すると酸化ストレスによるアポトーシスを抑制する効果があることと、2)
酸化ストレスから角膜幹細胞を保護する作用メカニズムの一つとして、酸化ストレスのひとつとされる活性酸素を除去することが有効と考えられ、タウリンとビタミンAの活性酸素の除去効果を検証したところ、ビタミンAがつよい活性酸素消去作用を持つことなどが確認された。

実験結果で変わること

よって、タウリンとビタミンAの組み合わせは、酸化ストレスから角膜幹細胞を保護するはたらきを持つということを優位に示された。そのため、年齢を重ね抗酸化力が低下している状況においても、タウリンとビタミンAを摂取することで角膜幹細胞の機能低下を抑えることができると推定されることとなる。

この研究によって、タウリンとビタミンAが角膜幹細胞を酸化ストレスから保護できると発見できたことで、将来的に角膜上皮再生の基盤となる技術になる可能性があり、眼の健康と機能が改善されると期待できる。
9 件