アラン・ラッセル: 肉体の再生 | TED Talk | TED.com

失った組織が復活?

糖尿病性潰瘍はよく耳にするでしょう。治癒しないとしたら切断しなければならないという最終段階の糖尿病性潰瘍を患っているとある女性は、肝臓ガンも患っていて、死ぬのならば体は傷つけまいとしていました。

しかし、1年間の潰瘍治療の末に、バディラック氏の新しい治療法を採用することにしました。自然の治癒反応をもたらす信号だけが含まれている物質を治療に用いました。以前は見られなかった反応が見られたのです。他にも、事故で頭部に大きな裂傷を負ってしまった馬の傷口を、同じようなジェル状の物質で覆いました。それを何度か繰り返すと、なんと完治したのです。


背びれを失ったイルカでも同じことが確認されました。現在、世界ではおよそ40万人がこの治療法を用いた、怪我の治療を受けています。

1500万ドルの研究

手足は再生されるのでしょうか? この疑問解明のため、国防省の研究機関が1500万ドル拠出しました。その1500万ドルで、指の先っぽを失った78歳の男性の指は再生してきました。臨床的に大きな意味のあることです。

もう一歩先に進んで、物質の代わりに物質と共に細胞を用いて、傷ついた組織を取りいた後に、生分解性物質を移植するとどうなるでしょうか。東京女子医大の岡野光夫氏は、心筋がペトリ皿で生成するのに成功しました。この皿を冷やすと皿の細胞の特性が変わります。それを使うのです。

バイパス手術との併用

次に、患者の臀部から取り出した幹細胞を心臓に直接注射するとどうなるのでしょう。患者の心臓にバイパス手術をした後に、患者の臀部から取り出した幹細胞が入れられると、ある種の流れができます。この細胞を完璧に入れるには新たな技術と装置が必要です。

重病人にバイパス手術を行うと症状は少し良くなります。ところが、もし同じ患者にバイパス手術に加え幹細胞移植を行うとなんと症状は消えてしまうのです。

体に3ヶ所だけ穴を開け、腹腔鏡で心臓に幹細胞を注入するという最小限の切開で済む手術もあります。これは基本的にうまく行きます。症状が軽ければ元どおりになるのです。

最新の細胞治療

もう一つの幹細胞治療の例は、もうすぐ臨床段階に入ると思います。ピッツバーグのマーラ氏が、世界中の仲間と脂肪吸引流体で実験しています。

脂肪吸引流体には幹細胞がぎっしりつまっています。つまり、病院に行き脂肪吸引背術をすると、脂肪流体がたくさん出てきます。この分離させた幹細胞から神経細胞が作られたりもしました。これはまだ実験室の中での話ですが、自分の脂肪由来の幹細胞で治療を受けるようになるでしょう。

バイオリアクター

先ほど病気を治療する方法を劇的に変える器具の話をしました。最後に一つ話します。イラクからの帰還兵患者の多くは重度の火傷を負っています。やけどから学んだことは治療法が分からないということです。正常な皮膚を持ってきて患部に移植しくっつける芝敷きアプローチを一般的にはします。

このケースで、新たに装着できるバイオリアクターをピッツバーグのガーラック氏が開発し、臨床試験が行われます。そのバイオリアクターを患部にくっつけ、細胞をスプレーします。リアクターが環境を整え、必要な物質を運ぶことを促進するのです。

戦略的な投資

多くの政府や地域がこれを新しい治療法と認めてくれました。最初に認可してくれたのはおそらく日本政府で、30億ドルの投資ののちに20億ドル追加投資してくれました。彼らは戦略的にこの分野に投資しているのです。ヨーロッパも、中国も同じです。

アメリカのアプローチは異なります。私はハーバード大のバカンティ氏と国立衛生研究所の所長に会いに行きました。予算のうちの少しでも再生医療に割いてくれ、と。ピリピリした会談ののちに所長がこう言いました。「君の話は壮大すぎて気が進まない」と。我々のビジョンは変わりません。みんなで彼の気持ちを変えてやろうじゃありませんか。
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