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第一三共株式会社とアストラゼネカが、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC))が、アメリカ食品医薬品局(FDA)よりHER2遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん治療を対象として「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)」指定を受けたことを発表しました。

「抗体薬物複合体(ADC)」とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

「画期的治療薬」指定とは、重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤の開発と審査を促進し、より早く新薬を届けるために定められた制度です。

今回の「画期的治療薬」指定は、トラスツズマブの非小細胞肺がん患者を対象としたグローバル第2相臨床試験(DESTINY-Lung01)における、HER2遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん患者の中間解析結果および第1相臨床試験の主解析結果に基づくものです。第2相臨床試験の中間解析結果は、2020年5月下旬に開催されるアメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)で発表される予定です。

非小細胞肺がんについて

肺がんは、男女共にがんによる死亡の主な原因で、全体の約5分の1を占めています。アメリカでは、2020年に約23万人が新たに肺がんと診断され、約14万人以上が死亡すると推定されています。

肺がんのうち80~85%は非小細胞肺がんで、転移性の場合、5年生存率はわずか6~10%であり、予後が特に不良と言われています。近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が登場し、非小細胞肺がん患者の治療の選択肢は広がってきましたが、進行性の非小細胞肺がん患者においては、新たな治療法が必要とされています。

HER2遺伝子変異は、非小細胞肺がんの2~4%に見られると報告されています。現在、HER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がんを対象に承認されている抗HER2療法はありせん。
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