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ノバルティスが遺伝子治療のAveXis社を買収

ノバルティスが、遺伝子治療に関する臨床試験を実施中のAveXis社と統合について合意し、AveXis社株を一株当たり218ドル、計87億ドルで現金買収すると発表しました。AveXis社はアメリカ・ナスダック市場に上場しており、この取引は両社の取締役会において全会一致で承認された模様です。

AveXis社は、生存運動ニューロン(SMN1)と呼ばれる単一遺伝子の欠陥を原因とする遺伝性神経変性疾患である脊髄性筋萎縮症(Spinal Muscular Atrophy、SMA)の治療について、いくつかの臨床試験を実施しています。AveXis社の主力の遺伝子治療薬候補であるAVXS-101は、1型SMAの治療において非常に説得力のある臨床データが得られています。

1型SMAは、乳児の遺伝的死因の第1位を占め、患者の10人中9人は2歳の誕生日を迎えるまで生きられないか、生涯にわたって人工呼吸器を必要とすることになります。出生児の6,000~10,000人に1人は、何らかの型のSMAに罹患すると推定されます。

FDAによる指定

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、AVXS-101をSMA治療のための希少疾病用医薬品に、また1型SMAに対する画期的治療薬に指定しました。AVXS-101のFDAへのBLA申請は2018年下半期、米国における承認および上市は2019年と予測しています。欧州と日本では、それぞれPRIMEと先駆け審査指定制度の対象品目に指定されています。


AVXS-101が承認されると、欠陥のあるSMN1遺伝子を効果的に置き換えることでSMAの遺伝的根本原因に対処する、ファースト・イン・クラスの1回完結型治療となります。

臨床試験では、AVXS-101に救命効果が示されており、自然歴コホートのイベントフリー生存率8%に対し、AVXS-101の治療を受けた15人の乳児全員が20ヵ月目にイベントフリーを達成しました (NEJM, November 2017)。AveXis社は、2018年4月25日に2年間のデータを米国神経学会に提出します。

ノバルティス ファーマのCEOであるポール・ハドソン(Paul Hudson)は、「AveXis社を迎えることにより、神経変性疾患においてリーダーになるという当社の志ならびにSMAのような小児の深刻な神経疾患におけるポジションを強化するという中枢神経事業部の優先事項が後押しされます。私たちは、この度の提携をこれまで培ってきた専門知識や神経科学分野における70年以上にわたる地位、グローバルにおける経験を高める機会として活用し、AVXS-101が治療ニーズの高い世界中のSMAの患者さんに貢献できるよう努めます」と述べています。

また、AveXis社からは、AVXS-101に加え、最先端のAAV9遺伝子治療製品の生産能力および価値のある研究開発能力、レット症候群(RTT)、さらにはスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子の変異に起因する遺伝性筋萎縮性側索硬化症(ALS)と言った製品のパイプラインも提供されます。AAV9は、中枢神経系(CNS)の疾患に対する臨床的に証明された遺伝子導入プラットフォームと考えられています。
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