ピーター・ワインストック: 手術の安全性を高める本物のようなシミュレーター | TED Talk | TED.com

緊急ケア医師ピーター・ワインストックが、危険な手術を事前に練習するために手術チームがハリウッドの特殊エフェクトや3Dプリンティング技術を使って、まるで本物のような患者の複製を作る様子を紹介します。「2度(模擬)手術を行い、切るのは1度だけ。」このトークで手術の未来を垣間見ましょう。 (模型ですが刺激的な映像の部分があります)

ボストン小児病院

どこでも処置できて、あらゆる年齢の患者の治療成果が改善され、疼痛のような苦痛、手術の時間、麻酔の時間が減り、治療は最高の効果を生み、治療すればするだけ患者は良くなるし、副作用がなくなる。そんな新たな治療技術があったらどうでしょう。ボストン小児病院のICUで働く救急医にとっての、その治療技術というのは、ゲームチェンジャーです。このゲームチェンジャーというのは、まるで本番のように行える手術のシミュレーションのことです。

医療の質を高める

この技術が医療の質を高めるのに必須だということを、実例をもってご紹介しましょう。まずは、生まれたての女の子です。

医療現場では生まれて最初の日を「生後0日目」と言います。この子は生まれるとすぐに全身の状態が悪いことに気づきました。心拍が早まり、血圧が下がり、呼吸はとてもはやいのです。胸部レントゲンを見るとその理由はわかりました。

新生児の全身のレントゲン写真ーベビーグラムを見ると、上の方に心臓と肺があり、下の方を見ると、腹部に腸があるのですが、赤ちゃんの胸部左に腸が侵入していました。腸が間違った位置にあったのです。これが肺を圧迫し、赤ちゃんの呼吸を困難にしていました。

先天性横隔膜ヘルニア

これを解決するためには、開腹手術で腸を正常な位置に戻し、肺の圧迫を解決し、呼吸ができるようにすることが必要です。しかし、彼女は手術室に入る前に、私たちのICUに連れて来られます。

この子に人工心配装置につなぎ、麻酔をかけ、首にごく小さな切開を施し、ボールペンの芯ほどの太さの血管にカテーテルを通し、血液を体内から取り出し、機械で血液に酸素を加え、体内に戻します。そして、手術室に安全に運ぶのです。

しかし問題があります。この先天性横隔膜ヘルニアという疾患は、横隔膜にあいた穴から、内臓が胸腔内に脱出してしまうものなのですが、何よりも稀な疾患なのです。

そのため、世界で最高レベルの技術を持つ下界でも、完全に手技が熟練するほどの手術を行うというのは困難です。何しろ稀な症例ですから。

これをありふれた手術にするにはどうすればいいでしょうか?

かわらない徒弟制度

もうひとつ問題があります。現行の医療制度のトレーニングモデルは、徒弟制度といい数世紀変わらないのですが、手術を数回見学した後に、その手術を実地で行うのです。そして次は次世代の医師にその手術を教えることになります。

これを20年見てきたのですが、言うまでもなく、患者を実験台にしているのです。これは問題です。もっと他にアプローチがあるはずです。医学は高い危険を伴うのに、本番への備えをしない業界でもあると言えるかもしれません。

そこで、治療シミュレーションを使ったより良い方法をご紹介したいと思います。

視察めぐり

私たちは、危険をともなう他の業界を視察しました。まずは、原子力発電所です。想定外の事態が起こった際の訓練をシナリオに基づいて定期的に行なっています。


他に、私たちにも身近な航空業界では、私たちが安心して飛行機に乗れるように、シミュレーターで訓練を積み、緊急事態のシナリオでも経験を重ね、万が一の事態にも備えているのです。実際、航空業界は飛行機の胴体ごとにシミュレート環境を整備していました。チームの息が合うことが重要だからです。

そして、次は、とても衝撃だった、スポーツ業界です。野球チームの選手たちの練習風景を想像してください。これはすばらしく進んだトレーニングモデルです。彼らは春季キャンプへ出かけます。そこでプレシーズンマッチの練習をします。

シーズン中、フィールドではゲーム開始の前に、バッティングの練習をします。筋肉がほぐれるまで練習して、本番に備えます。ここからが最も興味深いのですが、打者はバッターボックスに入り、ピッチャーの準備が整うと、バッターはまずスイングをします。必ずこの順番です。

医学の現場で

私たちは、医学の現場で、こんな訓練の場をいかに作っているかをお話しします。ボストン小児病院で、私たちは、患者を治療する前に、野球と同じようなことをします。
最近の例だと、頭部が大きくなり続ける水頭症に罹患した4歳児の症例では、神経系の発達に遅れが起こります。

経外科学を簡単に説明すると、まず脳があり、それを包む頭蓋骨があります。脳と頭蓋骨の間には、脳脊髄液あるいは髄液があります。これが衝撃を吸収するのです。わたしたちの頭の中では、脳脊髄液が脳を包み脳と頭蓋の間を満たしています。

脳のある部分で生産され、それが会流し、再吸収されます。しかし、不幸にも交通渋滞のように、この流れが滞ってしまう子がいます。滞留した髄液が脳を圧迫し、脳の成長を阻害します。その結果、子供は神経系発達が怒れるのです。これは非常に厄介な小児の疾患で、手術で治療します。

水頭症

従来の手術法は、頭蓋骨を一部切り取りこの液体を排出し、そこに排出管を取り付けて、さらに髄液が体内に戻るようにするのです。大手術です。いいニュースは、神経外科技術の向上で、この手術では、信州の低いアプローチが可能になります。地位なさピンホールを作り、カメラを挿入し、脳の奥深くまで導き、小さな穴を皮膜に開けて髄液を排出します。突然、脳は圧力から解放され本来の大きさに戻るのです。

しかし、問題があります。水頭症は比較的珍しい疾患で、この内視鏡を正しい場所に持っていくトレーニングはありませんでした。でも外科医たちは創造性を駆使し、これがそのモデルです。
15 件