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第一三共株式会社が、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC))について、手術不能または転移性のHER2陽性乳がんに係る販売承認申請が欧州医薬品庁(EMA)にて受理され、また迅速審査の指定を受けたことを発表しました。

「抗体薬物複合体(ADC)」とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤のことです。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高められます。
また、EMAによる「迅速審査」とは、公衆衛生および治療上の革新性の観点から多大な貢献が期待される薬剤に対して指定されるもので、審査期間の短縮が見込まれます。

今回の申請は、2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の転移性乳がん患者を対象としたグローバル第2相臨床試験(DESTINY-Breast01)の結果に基づいておこなわれました。

なお、トラスツズマブについては、DESTINY-Breast01の結果に基づき、アメリカおよび日本にて承認が取得されています。それぞれ2020年1月と5月に発売されています。また、今回の臨床試験に加え、HER2陽性乳がんのより早期治療ラインでの使用を対象とした臨床試験や、HER2低発現乳がん、HER2陽性の胃がん、大腸がん及び非小細胞肺がん等を対象とした臨床試験を実施中です。 

HER2陽性の乳がんについて

乳がんは、世界において2018年に約210万人/年の新規患者が報告されており、女性において主要ながん死亡原因となっています。乳がん患者の約20%は、がん細胞表面にHER2というタンパク質が過剰発現しているHER2陽性乳がんです。

抗HER2療法の登場によりHER2陽性乳がん患者の生存率は改善していますが、既存薬による治療後に再発・転移したHER2陽性乳がんにおいては治療の選択肢が限られ、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズがあると言われています。
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