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第一三共株式会社が、再発または難治性の成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)患者を対象としたバレメトスタット(DS-3201:EZH1/2阻害剤)の国内第2相臨床試験において、最初の患者への投与を開始したことを発表しました。

ATLは極めて侵攻性の強い非ホジキンリンパ腫の一種で、日本を含む特定の地域に多く見られる希少疾患です。ATLに対する主な治療法は多剤併用化学療法で、特に再発の場合は予後が極めて不良です。nbsp; 「非ホジキンリンパ腫」とは、リンパ球に由来する悪性リンパ腫の一つで、B細胞リンパ腫とT細胞リンパ腫に大別されます。

EZH1及びEZH2は、多くの血液がんで発現しているヒストンメチル化酵素で、がん抑制遺伝子の不活性化に関係していることが示されています。現在、EZH1およびEZH2を選択的に阻害する臨床開発中の薬剤は本剤しか無く、ファーストインクラスの薬剤となる可能性があります。

今回の試験は、再発または難治性のATL患者を対象とした国内第2相臨床試験で、単剤療法として本剤の有効性および安全性を評価します。主要評価項目は全奏効率で、約25名の患者を登録する予定です。この試験はATLを含む非ホジキンリンパ腫を対象として進行中の第1相臨床試験の予備的知見に基づき開始されました。なお、第1相臨床試験の概要は2019年アメリカ血液学会(ASH)年次総会で発表されました。

全奏効率」とは、完全寛解及び部分寛解の患者の割合です。完全寛解とは、すべての病変(リンパ節の腫大など)が消失した状態です。部分寛解とは、すべての病変が縮小し、かつ新病変がない状態です。

成人T細胞白血病・リンパ腫患者について

ATLは、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染が原因で発症する疾患で、日本に多い悪性リンパ腫の一種です。日本には、HTLV-1のキャリアが約100万人おり、そのうち5%が生涯のうちにATLを発症し、年間の新規患者は600~700人程度、年間の死亡者数は約1,000人と推定されています。

ATLの発症予防法や有効な治療法は十分ではなく、予後不良な疾患です。日本は先進国における唯一のHTLV-1の多い国であり、国際的にもATLの有効な治療法の確立と発症予防につながる新たな治療法の開発を先導することが期待されています。

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