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大阪大学大学院医学系研究科と株式会社ファンペップ、フューチャー株式会社が、共著論文『大規模タンパク質データベースに基づく BERTを用いたペプチド結合予測』が、第64回バイオ情報学研究会(一般社団法人情報処理学会主催、2020年12月)の「SIGBIO 優秀プレゼンテーション賞」を受賞したことを発表しました。

深刻化する先進国の医療財政問題の解決や患者負担の軽減に向けて、高額な抗体医薬品に対する代替医薬品として次世代の創薬モダリティである抗体誘導ペプチドの研究開発が進められていました。

抗体誘導ペプチドは、疾患関連の標的タンパク質に対する抗体産生を誘導するように設計されており、抗体を産生するB細胞が認識する「B細胞エピトープ」と、B細胞を活性化するヘルパーT細胞が認識する「T細胞エピトープ」の2つのペプチドにより構成されております。

※「ペプチド」とは、アミノ酸2~50個程度が結合した物質のことです。一般的に、50個以下のアミノ酸が鎖状に結合したもののことを指します。また、それ以上の数のアミノ酸が結合した物質をタンパク質と呼びます。

同三者は、抗体誘導ペプチドの探索研究に必要な研究プロセス(候補ペプチドの合成及び動物試験の実施等)を効率化して多額のコストを抑制することを目的として、あらたにAI予測システムの構築について以下の共同研究を進めています。
①「B細胞エピトープ」の抗体誘導活性予測システム
②「T細胞エピトープ」の予測システム(ヘルパーT細胞活性化に必要なMHCクラスⅡ分子への結合能予測)の開発
今回評価された研究では、従来モデルの課題であった「離れたアミノ酸間の複雑な依存関係の認識」及び「学習(実験)データ量」を補完するため、大規模タンパク質データベースにより事前学習したBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)モデルを用いた検討が行われました。

その結果、この手法を用いることで、B細胞エピトープ予測(①)およびMHCクラスⅡ分子への結合予測(②)は、LSTM(Long Short-Term Memory)等の従来法を上回る予測精度を達成することができたと報告されています。
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