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大鵬薬品工業株式会社が、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフⓇ配合錠T15・T20」(日本での製品名、一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(FTD/TPI))を中国において販売開始したことを発表しました。
なお適応症は、「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、およびRAS遺伝子が野生型の場合には抗EGFR抗体療法の治療歴を有する(ただし、抗VEGF抗体療法、抗EGFR抗体療法施行の有無は問わない)転移性結腸・直腸癌患者」となっています。

ロンサーフは、アジア(中国、韓国、タイ)における進行・再発の結腸・直腸がん患者を対象とした臨床第Ⅲ相試験(試験名:TERRA)の結果に基づき、2019年8月に中国で承認されています。今回の試験では、切除不能進行・再発の結腸・直腸がん患者において、主要評価項目である全生存期間を有意に延長する結果が得られました。

TERRA試験について

今回の試験は、無作為割付・二重盲検・プラセボ対照の臨床第Ⅲ相試験で、中国、韓国、タイの3カ国から406名の患者登録がありました。対象は少なくとも2種類以上の標準化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカン、オキサリプラチン)に不応または不耐となった切除不能進行・再発の結腸・直腸がん患者です。

ロンサーフの有効性を検証することを目的に、患者さんを本剤投与群またはプラセボ投与群にランダムに割り付けました。主要評価項目は全生存期間です。本試験は、中国、韓国、タイの研究代表者の主導により実施されました。
試験結果はESMO 2016 (欧州臨床腫瘍学会)で発表され、2017年に医学誌Journal of Clinical Oncologyに掲載されています。

結腸・直腸がんについて

結腸・直腸がんの罹患者数は中国において増加傾向にあり、死亡者数も肺がん、胃がん、肝がん、食道がんに続いて5番目に多いがんです。2018年には中国で約25万人が結腸・直腸がんにより死亡したと報告されています。

ロンサーフについて

ロンサーフは、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合することにより薬剤の効果を維持できるよう設計した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤で、従来のフルオロピリミジンとは異なる作用機序を有しています。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています。TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼ(TP)を阻害し、FTDの血中濃度を維持するはたらきを持ちます。

ロンサーフは、日本では「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症で大鵬薬品が2014年より販売、アメリカでは大鵬薬品のアメリカ子会社である大鵬オンコロジー社が切除不能進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として2015年から販売されています。
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