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第一三共株式会社が、進行性の消化管間質腫瘍(GIST)患者を対象としたDS-6157(GPR20を標的とした抗体薬物複合体、ADC)の第1相臨床試験において、最初の患者への投与を開始したことを発表しました。
抗体薬物複合体(ADC)」とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

第一三共は、がん領域パイプラインのグローバル開発加速を目的として、Sarah Cannon Research Instituteとの開発提携を2018年12月に発表しており、今回の試験はこの提携のもと2番目に開始した臨床試験となります。

GISTは主に胃や小腸等の消化管に発生する希少な軟部組織肉腫です。GISTに対する主な治療法は外科的切除やチロシンキナーゼ阻害剤による標的療法が推奨されていますが、治療抵抗性となった場合の選択肢は限定的で、新たな治療法が必要とされています。

DS-6157は、第一三共のADCで5番目に臨床開発段階に入った薬剤で、がん細胞膜上のGPR20を標的としています。GPR20は、GISTにおいてのみ過剰発現しているたんぱく質の一種で、現在、がん治療を対象に承認されているGPR20を標的とした治療薬はありません。

今回の試験は、再発または進行性のGIST患者を対象とした日米等における第1相臨床試験で、二つのパートからなります。パート1(用量漸増パート)では、約40名の患者を対象に、DS-6157の投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大耐用量と推奨用量を決定します。パート2(用量展開パート)では、約60名の患者を対象に、推奨用量での安全性と共に、客観的奏効率、奏効期間、病勢コントロール率および無増悪生存期間を含む有効性を評価します。

<参考>
客観的奏効率」とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。
奏効期間」とは、腫瘍の完全消失(完全奏効)または30%以上減少(部分奏効)のどちらかの基準が最初に満たされた時点から、再発または増悪が客観的に確認された最初の日までの期間です。
病勢コントロール率」とは、完全奏効、部分奏効または病勢安定(腫瘍の大きさが変化しない状態)した患者の割合です。
無増悪生存期間」とは、治療中及び治療後に病勢進行せず安定した状態の期間です。

<DS-6157について>
DS-6157は、エンハーツ®(DS-8201)、U3-1402、DS-1062、DS-7300に続いて、当社で5番目に臨床開発段階に入った抗体薬物複合体(ADC)で、当社独自のADC技術を用いて創製されました。第一三共独自のリンカーを介して新規のトポイソメラーゼⅠ阻害剤(DXd)を抗GPR20抗体に結合させた薬剤で、1つの抗体につき約8個のDXdが結合しています。薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されています。
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