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アストラゼネカが、第Ⅲ相ELEVATE-RR試験の肯定的な結果概要に基づき、カルケンス®(一般名:アカラブルチニブ)が、治療歴を有する高リスク慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)のイブルチニブに対する非劣性を示したことを発表しました。

この試験は、安全性に関する重要な副次評価項目も達成しており、カルケンスを投与した患者では、イブルチニブを投与した患者と比較して心房細動の発現率が統計的に有意に低いことが示されました。
さらに階層的検定が行われ、グレード3以上の感染症およびリヒター形質転換に差は認められませんでした。

一方で、全生存期間に関して数値的に良好な傾向が認められています。全体として、カルケンスの安全性および忍容性は、より広範なカルケンス臨床開発プログラムでこれまでに認められたプロファイルと一致したことになります。

ELEVATE-RR試験は、欧米において最も一般的な種類の白血病であるCLLの成人患者を対象に、2種類のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を比較する初めての第Ⅲ相試験です。
今回の試験の対象である高リスクCLLと診断された患者では、疾患が急速に悪化し、治療が必要となることがあります。また、心房細動は心拍が不規則な状態であり、脳卒中、心不全およびその他の心臓関連合併症のリスクを高める可能性があることが指摘されています。

慢性リンパ性白血病(CLL)について

CLLは成人白血病において欧米では最も患者数が多く、2017年には世界で新たに114,000例が診断されており、治療の発展による生存期間の伸長に伴い患者数は増加するとみられています。

CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり、これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。

異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります。BTKを介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLの基本的な増殖経路の一つです。

ELEVATE-RR試験について

ELEVATE-RR(ACE-CL-006)試験は、治療歴を有する高リスク特性(17p欠失または11q欠失、あるいはその両方の欠失が認められる場合)をともなうCLL患者を対象に、カルケンスとイブルチニブを比較する無作為化多施設共同非盲検第Ⅲ相非劣性試験です。

この試験では、533例の患者を1対1の比率で2群に無作為割付けしました。1群目の患者には、病勢進行または許容できない毒性が発現するまでカルケンス(100mg)を1日2回経口投与しました。
これに対して2群目の患者には、病勢進行または許容できない毒性が発現するまでイブルチニブ(420mg)を1日1回経口投与しました。

今回の試験の主要評価項目は、独立判定委員会が評価したPFSとし、250件のイベント発現後にPFSの非劣性を検討しました。副次評価項目には、心房細動の発現率、試験治療下で発現したグレード3以上の感染症の発現率、リヒター形質転換(CLLが悪性度の高いリンパ腫に変化する病態)の発現率および全生存期間を含めました。
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