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ロシュ社、Breast International Group、Institut Jules Bordet Clinical Trials Support Unit、およびFrontier Science Foundationが、HER2陽性早期乳がんを対象に、パージェタ®、ハーセプチン®および化学療法を併用(パージェタ併用レジメン)する術後薬物療法について検討した第III相臨床試験であるAPHINITY試験の、全生存期間(OS)に関する2回目の中間解析結果を発表しました。

2017年の中間解析ではフォローアップ期間中央値が約45カ月であったのに対し、最新のOS中間解析は同中央値が約74カ月の時点で実施され、浸潤病変の無い生存期間(iDFS: invasive disease-free survival)および心機能に関する安全性の最新の成績が含まれています。

今回の計画された最新の解析では、試験集団全体でパージェタ併用レジメンは対照レジメン(ハーセプチン、化学療法およびプラセボ併用)に比べ、乳がんの再発または死亡のリスクを24%低下させました(ハザード比 0.76、95%CI 0.64-0.91)。乳がんの再発を認めなかった割合は対照レジメンの87.8%に対し、パージェタ併用レジメンでは90.6%であり、2.8ポイント改善しました。

初回の解析と同様、リンパ節転移陽性などの再発リスクの高い患者さんで、高い効果が認められています。これらの患者さんでは、パージェタ併用レジメンは対照レジメンに比べ、再発または死亡のリスクを28%減少させました(ハザード比 0.72、95%CI 0.59-0.87)。これは、パージェタの上乗せによりiDFSが6年間で4.5ポイント改善したことに相当します(87.9%対83.4%)。より長期のフォローアップにより、パージェタ併用レジメンの治療効果はホルモン受容体(HR)の有無に関わらず認められました。HR陽性患者のiDFSのハザード比は0.73(95%CI 0.59-0.92)、HR陰性患者のiDFSのハザード比は0.83(95%CI 0.63–1.10)でした。

パージェタ併用レジメンでは、死亡数の減少が認められています[125対147(ハザード比 0.85、95%CI 0.67-1.07)]。ただし、現時点のデータは情報量が十分ではなく更なるフォローが必要であり、APHINITY試験は、2022年に計画されているOSの3回目の中間解析まで継続します。

心機能に関する安全性の新たな懸念は認められませんでした。パージェタ併用レジメンの安全性プロファイルは、初回の解析およびこれまでの試験で認められたものと同様であり、心血管イベントの発生率(主要な心血管イベントの割合)はパージェタ併用レジメンで0.8%、対照レジメンでは0.3%でした。

APHINITY試験について

APHINITY(Adjuvant Pertuzumab and Herceptin IN Initial TherapY in Breast Cancer、NCT01358877、BO25126、BIG 4-11)試験は、根治手術を受けた早期乳がん患者4,805名を対象に、パージェタ、ハーセプチンおよび化学療法の併用と、ハーセプチンおよび化学療法の併用による術後薬物療法の有効性と安全性を検討した、ランダム化二重盲検プラセボ対照二群間比較の国際共同第III相臨床試験です。

APHINITY試験の主要評価項目は、術後薬物療法後にいずれかの部位での浸潤性乳がんの再発または理由の如何を問わず死亡を認めない生存時間として定義されるiDFSでした。

副次評価項目は、心機能および安全性、OS、無病生存期間および健康関連のQOLでした。APHINITY試験では、試験に参加した患者を10年間フォローすることになります。
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