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 ソニーはSuicaやPASMOに採用されている非接触ICカードFeliCaとクラウドシステムを用いた、健康情報連携プラットフォームを事業化すると発表した。端末にかざすだけで簡単にデータを開示・記録できるFeliCaと、ソニーが独自開発した高いセキュリティーを誇るクラウドシステムを組み合わせることで、短期間で導入でき、個人の健康情報を医療機関の間で容易に共有できるようになるという。
 このプラットフォーム事業の最初のサービスとしてソニーは、電子お薬手帳サービス「harumo(ハルモ)」を今年7月にスタートした。harumoは交通系ICカードと同様のカードタイプの記録媒体で、薬局の端末にかざして服薬歴を記録する。この他に、スマートフォンアプリを使えば、飲み忘れ防止アラームの設定やジェネリック医薬品希望の表明、薬物アレルギーの記録ができる。
 ソニーはharumoの試験サービスを2011年頃から全国10都市で実施しており、すでに7万5千人が利用しているとのことだ。スマートフォンでの記録など様々なサービスが開発されているものの、「お薬手帳」という単語の知名度すらまだまだ高くない現状がある。お薬手帳が今後どのように広まっていくかに注目したい。

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 お薬手帳は、1993年に薬の飲み合わせによる重大な副作用で患者が死亡した事件(ソリブジン薬害)をきっかけに、患者の服薬歴やアレルギーを把握し、有害な薬の相互作用やアレルギーを防止するために導入された。その後、阪神淡路大震災において、カルテがない状態で患者の記憶を頼りに、患者がもともと飲んでいた薬を提供することは困難であると分かり、服用している薬を記録するお薬手帳が災害時の備えとしても重要であると認知された。
 お薬手帳は2000年から制度化され、薬局は患者にお薬手帳を持たせ、服薬歴を記録することが多くなっている。しかし、患者側のお薬手帳を持つ意義の認知度が低く、薬局に行く際にお薬手帳を忘れるなどして十分に記録できていないケースが多い。そのため、お薬手帳を電子化し、記録漏れを防止しようとする試みが近年多く見られている。
 医療を提供する側と受ける側の情報の非対称性がしばしば問題になっているが、このお薬手帳についても、使いやすさ・忘れにくさを向上させることだけではなく、お薬手帳を持ち、自分の服薬歴を記録・携帯することの意義を医療者が理解しているだけではなく、患者に伝え、行動を促すことが必要なのであろう。

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