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第一三共株式会社とアストラゼネカが、ENHERTU® (トラスツズマブ デルクステカン、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC))について、アメリカ食品医薬品局(FDA)から「トラスツズマブを含む前治療を受けたHER2陽性の局所進行または転移性の胃腺がんまたは胃食道接合部腺がん」を適応として販売承認を取得したことを発表しました。

「抗体薬物複合体(ADC)」とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めるものです。

今回の適応は、日本と韓国で実施した第2相臨床試験(DESTINY-Gastric01)の結果に基づき、2020年10月にFDAに承認申請が行われ、優先審査のもとで承認されたものです。

今回の承認は、FDAにおけるHER2陽性乳がんに次ぐ2つ目の承認となります。また、ENHERTUは日本でもHER2陽性の乳がんおよび胃がんについて承認されています。

胃がんについて

胃がんは、世界で5番目に多いがん種であり、切除不能な胃がんにおける5年生存率は5%となっており、がん種別死亡数は第3位です。

2018年の調査において、世界の新規患者は約100万人/年、死亡数は約77万人/年でした。アメリカでは、2020年に約3万人/年が新たに診断され、約1万人/年以上が死亡すると推定されています。

HER2は、乳がん、胃がん、肺がん、大腸がんを含む多くの種類の腫瘍の表面に発現しています。HER2陽性の切除不能な胃がんの治療は、化学療法とトラスツズマブの併用療法が推奨されていますが、投与後に進行した患者に対してHER2を標的とした治療薬はありませんでした。
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