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塩野義製薬株式会社が、FETROJA®(cefiderocol)について、アメリカ保険・福祉省内のメディケア・メディケイドサービスセンター(CMS:Centers for Medicare & Medicaid Services)により、New Technology Add-on Payment(NTAP)の適用になったことを発表しました。

「NTAP」とは、CMSによる、新たな医療技術の導入を推奨するためのメディケア患者を対象とした入院治療費の病院への償還制度です。2019年に、生命に関わる重篤な疾患に対する製品については償還額が最大50%から75%に引き上げられました。

今回のNTAPの適用により、2020年10月1日から2~3年の間、FETROJA®の使用により増加する医療費の最大75%が病院に支払われます。CMSは、FETROJA®の治療を受けた患者1人あたり、最大で7,919.86ドル支払うことを決定しました。

FETROJA®は、世界保健機関(WHO)により最優先の対応が必要であると考えられているカルバペネム系抗菌薬に耐性を示すアシネトバクター・バウマニ、緑膿菌、腸内細菌目細菌に有効性を示す唯一の薬剤です。

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、研究、開発、製造、販売と幅広く感染症に対する取り組みを進めています。塩野義製薬は、グローバルの課題であるAMRの対策を成功させるため、政府、国際機関、製薬会社、抗菌薬の処方医師、使用者(患者)を含むすべてのステークホルダーと連携して課題解決に取り組んでいくとしています。

薬剤耐性グラム陰性菌について

カルバペネム系抗菌薬耐性を含めた多剤耐性を示す緑膿菌、アシネトバクター・バウマニ、ステノトロホモナス・マルトフィリアおよび腸内細菌目細菌による感染症の増加は医療における重要課題となっています。

これらの感染症の既存薬での治療は困難であり、致死率も上昇しています。アメリカでは、年間少なくとも280万人が薬剤耐性菌に感染し、そのうち少なくとも3万5千人が死亡することが報告されています。

また、欧州では年間約2万5千人が多剤耐性菌への感染により死亡することが報告されています。何らかの手立てを打たなければ、2050年までに薬剤耐性菌感染症による全世界での死亡者数は1000万人、GDPに対する影響は100兆アメリカドルにも及ぶという予測もされています。

FETROJA®(cefiderocol)について

FETROJA®は、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する新FETROJA®規のシデロフォアセファロスポリン抗菌薬です。FETROJA®は、2019年11月に「他の治療選択肢が無いもしくは限られた18歳以上の患者における、グラム陰性菌による腎盂炎を含む複雑性尿路感染症治療」を適応にアメリカ食品医薬品局(FDA)より承認されました。

また、「18歳以上の患者における、グラム陰性菌による院内肺炎(院内細菌性肺炎および人工呼吸器関連肺炎)治療」を適応として、FDAに適応追加申請を行い受理され、審査終了目標日(PDUFA date)は2020年9月27日です。

FETROJA®は細菌のカルバペネムへの耐性獲得に関連する3つの主な機序(ポーリンチャネルの変異による膜透過性低下、βラクタマーゼによる不活化、排出ポンプの過剰産生)による影響を受けずに抗菌力を発揮します。鉄と結合する独自の構造を有することにより、細菌が養分である鉄を取り込むために利用する鉄トランスポーターを介し、細菌内に能動的に運ばれます。その結果、FETROJA®は細菌のペリプラズム内に効率よく取り込まれ、細胞壁合成を効率的に阻害します。
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