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京都大学イノベーションキャピタル株式会社と大日本住友製薬株式会社が、大日本住友製薬からのカーブアウトベンチャー企業であるAlphaNavi Pharma株式会社が設立され、第三者割当増資を実施したことを発表しました。

AlphaNaviが実施した総額約9億円のラウンドA第三者割当増資には、投資家連合として京都iCAP、新生キャピタルパートナーズ株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、日本ベンチャーキャピタル株式会社、中信ベンチャーキャピタル株式会社、大日本住友製薬が参加しています。



AlphaNaviは、大日本住友製薬の従業員2名が京都iCAPの支援を受けて2019年1月に設立した、大日本住友製薬からカーブアウトしたベンチャー企業です。

大日本住友製薬は、自社で創製し神経障害性疼痛を対象に開発中の DSP-2230(開発コード)について、外部との連携を通じて、遺伝変異に伴う神経障害性疼痛疾患などを対象にした研究開発を推進することを目的として、カーブアウトすることとしました。

AlphaNaviは大日本住友製薬からDSP-2230の製造・開発・販売権のライセンスを受けており、DSP-2230を小児四肢疼痛発作症などの治療薬として実用化することを目指します。
小児四肢疼痛発作症は、アンメット・メディカル・ニーズの存在する希少疾患です。京都大学医学研究科の小泉昭夫名誉教授らと秋田大学医学系研究科の高橋勉教授らの研究グループは、乳幼児期から周期性を伴い寒さや疲労によって誘発され疼痛発作をおこす特徴的な症状を持つ日本人家系を発見し、その症状を小児四肢疼痛発作症と命名しました。

また、この疼痛の発作原因が、電位依存性ナトリウムチャネルであるSCN11A遺伝子(Nav1.9)の一塩基変異によるものであること、この変異が末梢神経に局在する当該チャネルの異常興奮を引き起こし疼痛の発症につながることが明らかにされています。

今後、AlphaNaviは、小泉名誉教授とDSP-2230の非臨床試験に関する共同研究契約の締結を予定しており、小児四肢疼痛発作症などのアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患に対するDSP-2230の効果や特徴をより明確にし、臨床開発を推進します。
京都iCAPは、既存薬では効果が不十分な疼痛患者さんに一日でも早く新規治療薬を届けたいというAlphaNavi の経営理念と同社のパイプラインのポテンシャルを高く評価し、同社設立前からカーブアウト実施などの事業開発を含めた支援を行いました。

大日本住友製薬は、DSP-2230のカーブアウトや AlphaNavi を中心としたアカデミアとの産学連携のオープンイノベーションが新たな開発戦略に基づいたDSP-2230の研究開発促進につながり、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患の治療に貢献すると期待されています。



小泉名誉教授の共同研究パートナーである高橋教授は、
「既存の疼痛薬では効果のない小児四肢疼痛発作症の原因が解明された今、原因遺伝子の機能を阻害する治療薬の実用化が、最も期待できる治療法開発と考えられます」
と述べ、

またAlphaNaviの科学技術顧問である小泉名誉教授は、
「小児四肢疼痛発作症は、主に幼児期から思春期に発現し、その強い痛みのため QOL を著しく損ないます。
学校や幼稚園など教育関係者のこの疾患に対する理解が十分でないことが多く、患者さんおよびご家族は就学に大きな困難を抱えている可能性があります。
AlphaNaviの活動を通じて新たな患者さんの特定が進められる」
と述べ、期待を口にしていました。
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