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2016年6月13日、大塚製薬と日本IBMが合弁会社「大塚デジタルヘルス株式会社」の設立を発表した。資本金は2億6000万円。同社はIBM Watsonのテクノロジーを利用したデジタルヘルス・ソリューション「MENTAT(メンタット)」を開発、販売することで、より良い精神科医療の提供を支援する。

精神科医療の現場では、症状や病歴といった数値化の難しい項目が記述形式で電子カルテにまとめられてきた。記述形式のデータは閲覧や分析に時間と労力を要するため、今まで膨大なデータベースがありながら十分に活用されずにいた。

今回、新たな合弁会社での開発が発表された「MENTAT(メンタット)」は、IBM Watsonの技術を用いて記述形式のデータを言語解析し、自動的に統合、分析、データベース化する。

本技術を用いることで、精神科医療の従事者はデータに基づいた治療方法の検討が可能になり、より良い治療の実現が期待される。

VIEWS

今まで活用が難しかったデータを自動的に統合、分析し、より良い治療の実現を支援する「MENTAT(メンタット)」は非常に画期的だ。

一方で、「MENTAT(メンタット)」が作成したデータベースがどの程度信用できるものなのかという点については疑問が残る。数値化の難しい精神科医療に関する記述データをどれだけ正確に言語解析し、データベース化することができるのだろうか。「MENTAT(メンタット)」の支援を受けて行われる治療が必ずしも最良である保証はないだろう。

また同時に、「MENTAT(メンタット)」に基づいて行われた治療の責任は誰にあるのかという点も重要な論点だ。自動運転技術の分野においても同様の議論があるが、テクノロジーによる自動化を人の命が関わる産業に持ち込むには、誰が責任を取るかという問題は避けては通れないだろう。
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