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理研が肥満細胞の新たな機能発見

理化学研究所の統合生命医科学研究センターの粘膜システム研究グループの客員研究員で群馬大学大学院医学系研究科助教の下川周子とグループディレクター大野博司の共同研究グループが、「肥満細胞」が寄生虫感染の防御に対する新たな機能を発見したことが報告された。
下川 周子 客員研究員

下川 周子 客員研究員

腸管寄生線虫と感染症について

虫卵や幼虫に汚染された食物を食べると、寄生虫の一種である腸管寄生線虫に観戦することがある。腸管寄生線虫は熱帯・亜熱帯の広い地域に分布し、世界保健機関(WHO)の発表に基づけば、世界人口の約4分の1にあたる15億人程度の患者を生み出している。

寄生虫に感染することで貧血や栄養失調が引き起こされ、とりわけ医療施設が未発達で栄養を十分摂取できない発展途上国においてはおおきな健康問題を招きかねず、社会問題とされていた。


そのため、寄生虫対策の研究が重要視されている中で、今回、粘膜組織に分布する肥満細胞の防御免疫応答について、重要な役割を果たすとされながら、解明されていなかったメカニズムについての研究成果が発表された。
大野 博司 グループディレクター

大野 博司 グループディレクター

『Immunity』に掲載

今回、共同研究グループは、遺伝的に肥満細胞が野生のものよりも多いマウスを用いて、肥満細胞の寄生虫に対する感染防御のメカニズムについて調査した。その結果、そのマウスは腸管寄生線虫につよい抵抗力を示したことや、感染した際には2型自然リンパ球(ILC2)というものが増加することが明らかになった。つまり、「寄生虫に対し自然免疫の発動を促す」新たな肥満細胞の機能が示されたことになる、

ところが、肥満細胞やILC2は寄生虫への生体防御反応を示す一方で、アレルギーや炎症性の疾患の原因となることもわかっており、今後、この研究を深化させる中で、難治性の膝下の予防法や治療法の開発につながることが期待される。

この研究に関する論文はアメリカの科学雑誌『Immunity』に5月16日に掲載された。

情報ソース:http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170517_1/
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