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アストラゼネカ株式会社と小野薬品工業株式会社が、選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ®錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)」について、標準治療を受けている慢性心不全(以下、心不全)に対する効能又は効果の追加承認を取得したことを発表しました。

「心不全」とは、心臓が十分な血液を体全体へ送り出すことができない、命に関わる病気です。世界で約6,400 万人が罹患していて、そのうち少なくとも半数は左室駆出率が低下した心不全であると推定されています。

今回の承認は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した心不全を対象とした第Ⅲ相DAPA-HF 試験の良好な結果に基づいています。同試験の結果は、2019年11月、The New England Journal of Medicine4に掲載されています。

第Ⅲ相DAPA-HF試験の治験担当医師であり、阪和第二泉北病院 院長(大阪大学医学研究科 招へい教授)である北風政史医師は次のように述べています。
心不全とは、すべての心臓病の共通した臨床像であり、我が国では約130 万人が罹患しております。

心不全に罹患する多くの患者さんは左室駆出率など心機能がかなり低下しており、その5 年生存率は約 50%と、がんより不良な悪性疾患といえます。

心不全は、いろいろな薬物治療を行いますが、心不全治療に反応しないときは、心臓移植をする以外に根本治療がありません。

現在の標準治療に追加で使うことのできる新しい効果的な治療選択肢があれば、心不全に苦しむ人々の福音になりますが、今回、フォシーガが心不全での適応を取れたことは、我々循環器医が心不全に対する大きな武器を手に入れたことになります。
バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。
心血管死や心不全悪化のリスクを低下させるフォシーガの効果は、日本の多くの慢性心不全患者さんの生命予後を改善する可能性を有しています。

今回の承認は、転帰や症状の改善を喫緊に必要とする慢性心不全患者さんに新たな治療選択肢を提供し、慢性心不全を管理する治療へと進歩させることになると考えています。

「フォシーガ」とは?

「フォシーガ」とは、心血管死または心不全による入院を含む心不全の悪化による複合リスクを統計学的に有意に低下させた初めてのSGLT2阻害剤です。

第Ⅲ相DAPA-HF試験においてフォシーガは、標準治療との併用で、主要複合評価項目をプラセボと比べて26%低下させました。また、主要複合評価項目の構成項目である心血管死および心不全の悪化の両方において、全体的にリスクを低下しました。

試験期間中、フォシーガ投与群では、患者21例ごとに、1件の心血管死、心不全による入院、または静脈注射による心不全治療につながる緊急受診を回避しました。この試験におけるフォシーガの安全性プロファイルは、フォシーガのこれまでの安全性プロファイルと一致していました。

これまでに、フォシーガは、アメリカ食品医薬品局、欧州医薬品庁およびいくつかの国で、左室駆出率が低下した心不全の治療薬として承認されてきました。
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