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アステラス製薬株式会社とAffinivax, Inc.が、肺炎球菌を標的とする次世代型ワクチンASP3772の第II相試験結果が出たことを発表しました。

Affinivax社独自の多重抗原提示システム(Multiple Antigen Presentation System、MAPS™)技術を利用して創製したASP3772は、肺炎球菌に対して、B細胞とT細胞による2つの免疫防御が誘導されるよう設計されています。

ASP3772は、24種の肺炎球菌莢膜ポリサッカライドに加えて、肺炎球菌タンパク質を2種類含んでいます。第II相試験で、ASP3772は高い忍容性が確認されました。

また、ASP3772は、24種の肺炎球菌血清型それぞれに対して抗体免疫応答を示し、肺炎球菌タンパク質に対する抗体の応答も示しました。 なお、第II相試験データは、2021年7月9日から12日にオンラインで開催された欧州臨床微生物学感染症会議(ECCMID)において口頭発表されました。

また、ASP3772に関し、50歳以上の成人における肺炎球菌感染症の予防の適応において、アメリカ食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー指定(Breakthrough Therapy Designation)を取得しています。今回のブレークスルーセラピー指定は第II相試験結果に基づいています。

FDAのブレークスルーセラピー指定は、重篤な疾患に対する治療薬の開発と審査の迅速化を目的とする制度です。この指定を受けるためには、臨床的に意味のある評価項目について、既存治療と比較して顕著に改善する可能性を示す予備的な臨床エビデンスを有することが必要です。

ASP3772の第II相試験は65~85歳の成人503例を対象として実施され、その内訳は、ASP3772接種群293例、Prevnar13® 接種群97例、およびPneumovax® 23接種群(Prevnar13® 接種歴あり)113例とされています。

この試験では、主要評価項目は、Prevnar13® と比較して、ASP3772の安全性と忍容性および局所・全身性反応を評価することでした。副次的評価項目は、ASP3772の免疫原性を、Prevnar13® またはPneumovax® 23と比較して評価することでした。第II相試験の結果概要は以下の通りとされています。
・ASP3772の高い忍容性が確認され、ワクチン接種に伴う注射部位の局所反応および全身性反応は、比較対照群で認められたものと同様でした。頻度の高い局所反応は圧痛と痛みであり、投与後2〜3日以内に発生し、ASP3772群とPrevnar13® 群の間で明確な違いはありませんでした。ワクチンに関連した重篤な有害事象や、臨床的に関連する異常(バイタルサイン、心電図、検査パラメーター)はいずれも認められませんでした。接種後180日間の安全性評価期間中に、重篤な有害事象および治療を受けた有害事象はみられず、免疫を介して生じたと疑われる有害事象も認められませんでした。

・ASP3772は、3つの用量いずれにおいても、MAPS™ ワクチンに含まれる24種全ての肺炎球菌血清型に対して、強固な免疫応答を誘導しました。(免疫グロブリンG(IgG)と抗体免疫応答(オプソニン化貪食活性)により測定)

・Prevnar13® 群との比較において、ASP3772は、Prevnar13® と共通の13種の血清型に対して同等以上の免疫応答を示しました。また、血清型3に対して、ASP3772は全ての用量において統計学的に有意に高い免疫応答を示し、さらに最高用量では血清型5および19Fに対して統計学的に有意に高い免疫応答を示しました。Prevnar13® には含まれていない残り11種の血清型に対しても統計学的に有意に高い免疫応答を示しました。

・Pneumovax® 23群(Prevnar13® 接種歴あり)との比較において、ASP3772は、Prevnar13® と共通の13種の血清型に対して同等以上の免疫応答を示しました。また、最高用量では、血清型3、4、5、6A、7F、9V、18Cに対して統計学的に有意に高い免疫応答を示しました。残り11種の血清型に対しても、同等あるいは、ほとんどの型では統計学的に有意に高い免疫応答を示しました。

・ASP3772は、2種の肺炎球菌タンパク質に対する抗体を2倍以上増加させることも示しました。 一方で、Prevnar13® 群でこれらの増加は見られませんでした。
ASP3772は、肺炎球菌感染症の予防の適応で、成人および乳幼児を対象に開発中で、現在、成人を対象とした第III相試験の準備が進行中です。なお、乳幼児を対象とした第II相試験は、進行中の12~15カ月齢対象の第I相試験が完了した後に開始予定です。
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