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ノバルティス ファーマ株式会社が、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬として、タブレクタ®錠 150mgおよび同錠200mg(一般名:カプマチニブ塩酸塩水和物)に対する製造販売承認を取得したことを発表しました。

MET遺伝子エクソン14 スキッピング(METex14)変異陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC の予後は不良で、生命を脅かす重篤な疾患である一方、治療選択肢が非常に限られ、MET遺伝子を標的とした治療法の開発が望まれていました。MET遺伝子変異を有する患者はNSCLC患者数の約3~4%と報告されており、METex14変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者数は日本国内では約3,000名程度と推定されます。

なお、METex14変異の検出には、タブレクタのコンパニオン診断薬として中外製薬株式会社の「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」が用いられます。

今回の承認は、MET遺伝子増幅又はMETex14変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者を対象に、カプマチニブ(1回400mgを1日2回連日投与)の単剤投与を検討する国際共同第II相試験(GEOMETRY mono-1試験)の結果に基づいています。このうちMETex14変異を有する患者のコホートでは,主要評価項目である独立画像判定機関の評価による奏効率(RECIST ver 1.1基準に基づく)は、化学療法歴のない患者28例(日本人患者2例を含む)で68%(95%信頼区間[CI]:48-84)、化学療法歴のある患者69例(日本人患者11例を含む)で41%(95% [CI]:29-53)でした。主要な副次評価項目である奏効期間(DOR)中央値は、それぞれ12.6カ月(95% CI、 5.5–25.3)および9.7カ月(95% CI、 5.5-13.0)でした。
副作用は、97例中87例(89.7%)に認められ、主な副作用は、末梢性浮腫52.6%(51/97例)、悪心37.1%(36/97例)、血中クレアチニン増加25.8%(25/97例)、嘔吐18.6%(18/97例)、疲労16.5%(16/97例)、食欲減退15.5%(15/97例)、下痢11.3%(11/97例)、リパーゼ増加11.3%(11/97例)およびALT増加10.3%(10/97例)でした。

「タブレクタ®錠」について

「タブレクタ」は、METに対する選択的な経口阻害剤で、NSCLCにおける発がんドライバー因子であるMETex14変異に対しても阻害活性を有します。MET遺伝子変異はNSCLCを含む種々のがんで報告されており、この遺伝子異常によって生じるMET経路の制御異常が、腫瘍細胞の増殖、生存、浸潤及び転移、ならびに腫瘍血管新生を促進すると考えられています4。「タブレクタ」は、アメリカでは2019年9月に画期的治療薬指定、2020年2月に優先審査品目指定、5月に承認を取得しています。
なお、日本において「タブレクタ」は2019年5月に「MET遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品指定を受けています。
ノバルティスは、2009年にIncyte社からカプマチニブに関するライセンスを取得しました。この契約に基づき、Incyte社はノバルティスに、カプマチニブに対する包括的な独占的開発および全世界における商業権を付与しました。
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