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 2017年4月14日に開催された第7回未来投資会議で安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍首相)が次のように述べた。
「医療・介護におけるICTやデータの活用は、長い間、思ったようには進んできませんでした。しかし、技術が飛躍的に進歩したことで、いよいよ現場で実現し始めています。2025年には、団塊の世代が全員75歳以上となります。この山場を乗り越えるため、国民一人一人が、新しい技術を手軽に生活に取り込み、自らの健康と真摯に向き合い、健康寿命を延ばせるようにしていきたいと思います」
第7回未来投資会議で発言する安倍首相

第7回未来投資会議で発言する安倍首相

健康寿命と平均寿命?

健康寿命というのは、医師による治療や介護がなくとも健康に生活できる期間のことを意味する。そして、日本に住む人が平均でどれくらいの期間生きられるかを示す平均寿命から健康寿命を引くと病気を持っている期間がわかる。

2013年の厚生労働省のデータによると、平均寿命は女性が86.61歳、男性が80.21歳で、健康寿命が女性で74.21、男性で71.19となっている。つまり、生涯のうち女性は12.40年、男性は9.02年の間、病気に罹患していることになる。

安倍首相発言の意図

さらに、安倍首相は次のように述べている。
病気になった時、重症化を防ぎ回復を早めるため、かかりつけ医による継続的な経過観察が大切であります。対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせれば、これを無理なく効果的に受けられるようになります。こうした新しい医療を次の診療報酬改定でしっかり評価いたします。
安倍首相の発言は、この病気の罹患期間をもっと短くしようという意思を表していることとなる。

これまで、直接医師と会って行う診療に加えて、インターネットを使ったオンラインでの遠隔診療をできるようにすることで効果的な医療を行えるようになると言われてきた。

しかし、そうは言っても、これまで遠隔診療は医師の診療報酬に加味されなかった(医師がボランティアで行うことは可能な)ため、実施はむずかしいとされていた。

ところが、今回の未来投資会議での安倍首相の発言から、遠隔診療を診療報酬の該当項にすることで、来年から行えるようにしようとしていることが分かる。

VIEWS

国の財政 歳出

国の財政 歳出

国税庁によると社会保障関係費はおよそ32兆円におよび国の歳出の割合では33%程度となっている。この社会保障にかかる費用が国の財布をどれだけ圧迫しているかは、歳出の3分の1をそれが占めていることから分かる。この社会保障に関わる費用のうち、可能なものは削減すべきだろう。

そのうち医療費に関しては、予防や早期発見をすることができるようになれば、大幅に削減できるようになるだろう。あるいは、医師の出した処方通りに薬を飲んでいない人を減らすことで、疾患の重症化を防ぐことができ、医療費を減らせるかもしれない。

例えば、毎月1日と16日に受診することになっている患者に、その真ん中8日と23日にSkypeなどのオンラインで10分でも医療指導ができれば、服薬忘れを減らすことや、生活習慣の管理ができるようになり、病気の重症化を防げるようになるかもしれない。すると、医療費も削減できる可能性があるのだ。遠隔診療の導入による利点は多い。

しかし、もちろん、オンラインで診察をする上でのセキュリティの問題やインターネットに接続できるか(アクセシビリティ)の問題がある。そこをクリアした上で行われる遠隔医療は歓迎すべきものだろう。

【続編】第2弾:厚労省は3年後には遠隔診療を拡大しようと考えている? PULSE

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4月14日に行われた未来投資会議で「遠隔診療」の導入が来年の診療報酬改定で行うとの安倍首相の発言を紹介した。今日は、その遠隔診療が「どのように」行われるのかに迫る。

遠隔診療の報酬が対面診療と同額に PULSE

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この遠隔診療の件については、昨年、世耕経済産業大臣が導入に言及していたが、今回は安倍首相が言及したということで期待値が上がった。
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