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新しい薬の開発や、ゲノム解析を始めとする生命データの大規模解析など、医療分野の発展に欠かせないスーパーコンピュータ=スパコン。

世界のスパコンの性能を半年に1度評価する「TOP500 Supercomputer Sites」(以下「TOP500 」※1)の最新ランキングが、11月14日(現地時間)公開された。
https://www.top500.org/lists/2016/11/

5年ぶりに国内最高位が交代

日本勢では、前回6月の発表時に5位だった理化学研究所の「京」が7位へ後退。
最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)の「Oakforest-PACS(オークフォレスト・パックス)」(システム構築は「京」と同じく富士通が担当している)が6位に入り、初登場で国内最高位を獲得した。

「京」は2011年に国内最高位に登録されて以来、ずっとその位置を保ってきたので、今回5年ぶりに、順位が変動したことになる。

ピーク性能値は「京」の2倍強

最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)は、東京大学と筑波大学が2013年に共同で立ち上げた組織。「Oakforest-PACS」の調達・導入・運用のすべてを両大学共同で実施しており、このように2つの機関が連携し、コンピュータを管理するのは日本で初めての試みだ。

また、「Oakforest-PACS」のピーク性能(理論的に予測される最大性能。浮動小数点演算という、コンピュータなど演算機に独特の計算システムの処理能力で示される)は、「京」の約 2.2 倍となっている。
「Oakforest-PACS」の仕様

「Oakforest-PACS」の仕様

「TOP500」2016年11月・1位は中国のスパコン

再び「TOP500」のランキングに注目してみると、1位は中国江蘇省無錫市にある国立スーパーコンピュータセンターの「神威太湖之光(Sunway TaihuLight)」で、2位は中国国防科学技術大学(NUDT)の「天河2号(Tianhe-2)」と、前回6月の発表と変動なし。

3位~5位にはアメリカのスーパーコンピュータが並んだ。
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スパコンの性能評価基準は演算速度だけではない

上のランキング表を見る限り、
1位「神威太湖之光(Sunway TaihuLight)」の計算速度は、毎秒9京3000兆回
2位「天河2号(Tianhe-2)」が、同3京3900兆回
3位 米国のオークリッジ国立研究所「タイタン(Titan)」が、同1京7600兆回
と、中国のスパコンが飛びぬけて性能が優れている印象を受けるかもしれない。

また、国内最高の6位となった「Oakforest-PACS」は、同数値が約1京3500兆回、7位の「京」が同1京500兆回と聞くと、日本国内のスパコンの性能は大丈夫なのか?とも思えてくる。

しかし、スパコンの性能は演算処理能力だけで計れるものではなくなってきている。
それについては別途、解説記事を掲載するので、そちらを参照してほしい。

スパコン性能ランキングの現状と「2位じゃダメなんですか?」への答 - PULSE

スパコン性能ランキングの現状と「2位じゃダメなんですか?」への答 - PULSE
世界のスパコンの性能を半年に1度評価する「TOP500」の最新ランキング(2016年11月14日公開)で、1位、2位を独占したのが中国勢だ。日本勢は6位、7位と後塵を拝している。果たして日本のスパコンのランキングが下がってしまってることはいかがなものか?それに対する答えを提示する。

引用・参照

※1【TOP500】 
スーパーコンピュータの演算処理速度をLINPACK(米テネシー大学のジャック・ドンガラ博士らが開発したコンピュータの性能計測プログラム。連立一次方程式の解を求めるもので、主に浮動小数点演算の性能を計測することができる)によって計測し、ランキング上位500位を発表するプロジェクト。1993年、複数の大学の共同プロジェクトとして開始され、以来、毎年2回行われている。世界のスーパーコンピュータの性能を競う場として、広く認知されている。

http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/201611150100-2.pdf
http://jcahpc.jp/pr/pr-20161114.html
https://www.top500.org/list/2016/11/
http://www.sophia-it.com/content/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BFTOP500
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