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GoogleのAI部門であるDeepmind。

開発を進めている囲碁に特化した人工知能のAlpha Goが、世界最強とされている韓国のプロ棋士のイ・セドル九段を破り、世界に衝撃を与えたのは記憶に新しい。

しかし、彼らは囲碁ばかりを研究しているわけはない。

歴史ある眼科病院と提携

Deepmindは、医療の領域での研究にも力を入れて進めている。

今年2月からは、イギリスの国民保険サービス(NHS)やロンドンのロイヤルフリー病院などの医療機関と協力し、取り組みを進めるなどしてきた。

そして今回、その提携を拡大し、200年分のカルテを有する、ロンドンのムーアフィールズ眼科病院と取り組みを始めると発表した。(http://www.moorfields.nhs.uk/news/moorfields-announces-research-partnership)

今回の提携でDeepmindは百万人の秘匿な眼のデジタルスキャンデータなどにアクセスできるようになるという。

目的は失明リスクの軽減

Deepmindは今回の研究の目的を、ムーアフィールズ眼科病院の目のスキャンデータを活用し、画像をAIに機械学習させることで機械学習のアルゴリズムが、加齢黄斑変症と糖尿病による失明の、この2つの兆候を発見し、自動的に症状を診断できるのか調査することとしていて、英国王立盲人協会や、眼科学会の支援も受けている。

現在、糖尿病は、生産年齢の失明の最も多い要因になっている。推定では、世界の成人の11人に1人は糖尿病であると言われており、また、糖尿病患者の視力低下リスクは健康な人の25倍にまであがる。しかし、早期の診断と治療で98%は予防できるともされている。

また、加齢黄斑変性症は、英国において失明する要因の最も多い要因であり、英国だけで、毎日200人が失明していて、グローバルでは、2020年までに加齢黄斑変性症患者の数は、2億人にまで上ると言われている。

Deepmindは、「眼のスキャンデータは非常に複雑で、眼科医が分析するのに長い時間を要しており、患者に早く診断を伝え、早期に治療に入れるようになれば大きなインパクトになる。」と発表文書で述べおり、今回の試みが、視力低下の予防における、大きな一助となることが期待されている。

しかし、公開データを巡って批判も

DeepMindは前述のロイヤルフリー病院や、チェイス・ファーム病院などとの取り組みにおいて、「Streams」という、急性腎障害(AKI)のリスクのある患者を医師に通知する医療用アプリへの応用に向けて、腎臓のデータを分析していたが、公開される情報が明確でないなどの批判を受けてきた。

今回も、眼のデジタルスキャンデータに加えて、公式文書の表現では「いくつかの眼の状態と疾病管理に関する秘匿なデータ(some related anonymous information about eye condition and disease management)」にもアクセスできるようになるとされており、こうした、開示データの透明性を巡っては、また議論が起きそうだ。
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