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米メルク社のがん免疫チェックポイント阻害薬(※1)「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ 抗PD-1抗体※2)」の薬価収載が、来年2017年以降にずれ込む気配だ。

【薬価収載】新薬が薬価基準(厚生労働省が決定する基準価格の一覧表)に収載されること。収載された医薬品は医療保険の適応となる。

オプジーボの高額薬価引き下げ審査が影響

その背景にあるのは、やはり免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボ(ニボルマム)に関して、高額薬価引き下げの審議だ。

キイトルーダは、オプジーボと同じ「根治切除不能な悪性黒色腫」(メラノーマ:皮膚がんの一種)で承認を取得しており、さらに「切除不能な進行または再発の非小細胞肺がん」への適応拡大も承認目前と、こちらもオプジーボと同じ道筋をたどっている。
それゆえ、オプジーボの薬価引き下げ審議が決着するまで、軽々にキイトルーダの公定薬価を確定できない、ということのようだ。

当然、薬価収載までは保険適用されないため、自由診療に依るしかなく、事実上キイトルーダは使えないに等しいといって過言でない。

キイトルーダの適応拡大はどうなる?

キイトルーダは10月第2週に開催された欧州臨床腫瘍学会で、進行非小細胞肺がん患者の一時治療を対象とした第Ⅲ相臨床試験(KEYNOTE-024試験)で無憎悪生存期間、全生存期間ともに良好な結果を発表。
10月25日には米国FDA(アメリカ食品医療局)が「PD-L1高発現(TPS50%以上)の転移性非小細胞肺がんの一時治療」を承認したと、米メルク社がリリースを出している。

その10月25日には国内で、日本肺癌学会と日本肺がん患者連絡会(全国の肺がん患者会6団体の連絡会)が、連名でキイトルーダの一時治療早期承認の要望書を塩崎 恭久 厚生労働大臣に提出しているが、「根治切除不能な悪性黒色腫」における薬価収載時期が不透明となると、肺がんへの適応拡大早期承認はともかく、薬価収載が再び滞るという可能性があるのかもしれない。


※1 免疫チェックポイント阻害薬
T細胞(免疫細胞)には、活性かしすぎて自己免疫疾患(免疫系が自分自身の正常な細胞や組織に対して過剰に反応し、攻撃を加えて症状を引き起こす)などの発症を防ぐため、ブレーキとして働く分子がいくつか備わっており、それを『免疫チェックポイント』と呼ぶ。この分子をがん細胞が利用し、免疫からの攻撃を回避・増殖しているケースがあることが近年、判明。『免疫チェックポイント』の働きを阻害することでT細胞本来の免疫力を発揮させ、がん細胞への攻撃を可能にするのが『免疫チェックポイント治療法』であり、その効果を持つ薬剤が『免疫チェックポイント阻害薬』。

※2 抗PD-1抗体
上述した『免疫チェックポイント』の1つであるPD-1抗体の働きを阻害する薬剤が、抗PD-1抗体。

引用・参照

http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226586833467.html?pageKind=outline
https://oncolo.jp/news/161014k01
https://oncolo.jp/news/161025k02
http://www.haigan.gr.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=120
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