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アメリカ食品医薬品局(FDA)が、武田薬品工業株式会社に対し、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎における維持療法としてのベドリズマブ (Entyvio®)の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請に関し、審査完了の通知を行いました。

武田薬品は、報告通知の詳細を精査し、FDAからの質問事項に対応するために必要な情報を集め、承認を目指すことになります。今回の報告通知において、FDAからは、生物学的製剤承認申請に用いられた検証試験から得られた臨床データおよびその結論とは関連のない質問が提起されています。

ベドリズマブ静注製剤は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎およびクローン病治療剤として2014年にFDAによる承認を取得以降も、臨床試験およびその他のエビデンスをもって、十分に確立された安全性および有効性のプロファイルを積み上げられています。

ベドリズマブ静注製剤は、アメリカや欧州連合(EU)など60カ国以上の国で製造販売承認を取得しています。とりわけ、アメリカでは15万人以上がベドリズマブを使用しています。

潰瘍性大腸炎およびクローン病について

潰瘍性大腸炎およびクローン病は、最も代表的な炎症性腸疾患です。潰瘍性大腸炎とクローン病はいずれも、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が消化管に生じる、進行性となることの多い疾患です。潰瘍性大腸炎は大腸のみに発症するのに対して、クローン病は口から肛門に至るまで、消化管のあらゆる部位に発症します。

また、クローン病は腸壁全層にも発症する可能性がありますが、潰瘍性大腸炎は大腸の最も内側の粘膜のみに発症します。潰瘍性大腸炎でよくみられる症状は、出血あるいは排膿を含む腹部不快感および軟便です。

一方、クローン病でよくみられる症状は、腹痛、下痢および体重減少などです。潰瘍性大腸炎やクローン病の正確な原因については明らかになっていませんが、最近の研究では、遺伝的要因や環境要因に加え、遺伝的素因を有する人に生じる腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答などが原因と考えられています。

Entyvioについて

ベドリズマブは消化管に選択的に作用する生物学的製剤であり、現在、静注製剤として承認されています。この薬剤はα4β7インテグリンと特異的に拮抗し、α4β7インテグリンの腸粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)への結合を阻害しますが、血管細胞接着分子1(VCAM-1)への結合は阻害しないようデザインされた、ヒト化モノクローナル抗体です。

MAdCAM-1は消化管の血管およびリンパ節に選択的に発現しています。一方、α4β7インテグリンは循環血液中の白血球サブセットに発現しています。これらの細胞は、潰瘍性大腸炎とクローン病における炎症プロセスを調節するうえで重要な役割を果たしていることが明らかになっています。

α4β7インテグリンを阻害することで、ベドリズマブはある種の白血球細胞が消化管組織へ浸潤することを制限できる可能性があります。
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