1. 「2025万博若者会議@東京」が開催

学生団体WAKAZOによって、東京・日本橋で「2025万博若者会議@東京」が開催されました。
2025年に開催が予定されている大阪万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現のため、いのちと向き合うイベントを開催しています。

2019年は大阪、東京、北海道、福岡で開催されることになっており、大阪・中之島で開催された「2025万博若者会議@大阪」につづく、第2弾となりました。
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4回にわたって開催された万博若者会議は、
①2050年の『生まれる』
②2050年の『死ぬ』
③2050年の『生きがいを持って暮らす』
④2050年の『世代を超えて受け継ぐ』
という構成で実施されました。

万博若者会議@大阪が開催〜2050年の「生まれる」を考える | PULSE

万博若者会議@大阪が開催〜2050年の「生まれる」を考える |  PULSE

2. Keynote Speech - 高宮 有介

Keynote Speechでは、昭和大学医学部医学教育学講座の高宮有介さんが話しました。高宮先生の専門は「緩和ケア」や「マインドフルネス」で、コミュニケーションなどで患者だけでなく医療従事者の心のケアにも取り組んでいます。今回の講演のテーマは、「死から生命を考える」となっていました。

高宮先生は、ご自身が剣道をやっていた経験から「精神状態が体のパフォーマンスに影響を与える」ということを感じ、身体の健康だけでなく精神の健康についての重要性を重視します。「心のケアを行うことで治療の結果が変わるかもしれない。治療の結果は同じだとしても満足感は違うかもしれない」。高宮先生は、そんな言葉で語りかけます。

外科医として医者のキャリアをはじめた高宮先生は、イギリスで「心のケア」がはじまったと聞いて、早速勉強に行きました。そこでは、「ホスピスケア」とも呼ばれる、「緩和ケア」が行われていたのです。緩和ケアでは、身体だけでなく心のケアを行うことを大切にします。

日本に戻ってきて、緩和ケアを早速はじめます。たとえば、緩和ケア病棟では患者の家族でもある愛犬と一緒に暮らせるようにしたり、患者の話を聞いて一人ひとりの物語に寄り添うような治療行為を行なったりしました。白衣が上から目線になるかもしれない、その場合、白衣を脱ぐことからはじめます。患者は、患者である前に「ひとりの人間である」ということの大切さを説きます。


いま、緩和ケアを必要としているのは、心不全やCOPD、認知症、透析患者など広がり続けています。それだけでなく、「なぜ自分はこの世に生まれて生きて死んでいくんだろうか」、「自分が生まれてきた人生の意味はなんだろうか」、「自分が生まれてきた人生の役割はなんなのか」、「自分はなんのために生きているのだろうか」といった痛みを覚える「スピリチュアルペイン」にも向き合っていかなければならないフェーズに差し掛かっていると言います。

高宮先生は、イギリスで学んだとして”Not doing, but being”という言葉を紹介します。緩和ケアでは「なにかをすることでなく、そばにいること」が大切だと言うのです。一人ひとりの物語に、人生に寄りそうことが大切だ、と。生きていると必ず別れを経験しますし、また「死」を経験することになります。高宮先生は、ひとりの医療者として「生と死をどう考えるか、また1人の人間として生と死をどう考えるか」について、正解はないと留保しつつも、語りかけます。

そして、
私が無駄に過ごした今日は、昨日亡くなった人が痛切に生きたいと願った今日である。

私が無駄に過ごした今日は昨日亡くなった人が痛切に生きたいと願った今日である。
という言葉を紹介し、話を締めくくりました。
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