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島津製作所とアメリカ・プロビデンスがん研究センター(Providence Cancer Institute)が、共同で「質量分析技術を用いた新しいがん免疫療法」の研究開発を進めることを発表しました。

研究では頭頚部、肺、腎などのがんが標的とされます。

がん免疫療法において、個別患者に対する治療効果の最適化は、がん治療の根本的な改革につながります。島津製作所とProvidenceは、免疫療法における個々人のがんの目印(抗原)や治療薬の体内動態を識別する技術開発を行います。これらの技術は、個別化医療の技術確立に資するものと注目されます。

共同研究は、2018年1月から島津製作所のアメリカ法人Shimadzu Scientific Instruments, Inc.のイノベーションセンターが中心となって進めてきました。2018年10月にワシントン州ボセルにバイオサイエンスラボ(Shimadzu Bioscience Research Partnership)を開所し、2019年8月にミクロ流量対応の液体クロマトグラフ質量分析システム「Nexera Mikros」、液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-9030」など島津製作所の最新分析装置を設置し、がんの抗原を直接同定するシステムを稼働しました。免疫が直接認識する抗原情報を島津製作所の質量分析技術により取得し、Providenceが解析を得意とする遺伝子や細胞情報と統合することで、新たな治療法の開発につなげることとなっています。

島津製作所の質量分析技術は、創薬・臨床分野で重要な多数の成分を一度に測定する技術です。島津製作所とProvidenceの共同研究は、前処理キット「nSMOL Antibody BA Kit」※などの技術・製品を応用し、個人の免疫システムが認識するがんの抗原を正確に同定し、抗体医薬の動態を精密に分析するものです。

研究は2018年からの3カ年計画で予定され、Providenceなどの臨床拠点における治験導入が目指されます。
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