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アンジェス株式会社とバソミューン・セラピューティクス社が、共同開発を行っているCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)治療薬であるAV-001について、健康成人を対象とした第1相臨床試験をアメリカにおいて開始しました。

AV-001は、正常な血管機能を維持するために重要な調整タンパク質であるTie2チロシンキナーゼ受容体を標的とするファースト・イン・クラスの治療薬です。非臨床試験結果から、AV-001はCOVID-19で入院した患者の生存率を改善し、入院期間を短縮する可能性が期待されます。

バソミューン社の社長兼CEOであるダグラス・ハミルトンは、次のように述べています。
深刻な COVID-1に罹患すると、肺と全身の血管機能障害が起こることが解明されてきました。
高齢者や肥満、高血圧、糖尿病の既往が有る患者はハイリスクであると言われています。
これらの患者では、もともと血管機能障害があり、それがCOVID-19感染により増悪されるためです。
私たちは、血管機能の正常化に注目した、新たな治療戦略を提案します。これにより、患者の生存率が向上し、治療期間が短縮され、医療関係者、集中治療室病床、人工呼吸器などの医療リソースへの負担軽減に貢献できると考えています。
第1相臨床試験は、健康成人を対象とした二重盲検プラセボ対照試験です。単回投与と連続投与における安全性、忍容性、および薬物動態を評価します。

第1相臨床試験に続く臨床試験で良好な結果が得られれば、中等度から重度のCOVID-19治療薬として、アメリカ食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請することを検討するとしています。

AV-001 について

AV-001は、トロントのサニーブルック病院で発見・デザインされて、アンジェスとバソミューン社の共同開発契約に基づき臨床試験が進められています。

AV-001は、血管内皮細胞表面に最も多く発現する膜貫通型タンパク質であるTie2 受容体を標的とした新規治験薬です。AV-001はTie2アンジオポエチン経路を活性化させることで、血管機能を正常化させ、血管内皮バリアを回復させられます。

COVID-19およびARDS(急性呼吸窮迫症候群)患者、特に高血圧、糖尿病および肥満などの血管合併症を既往している患者の病態において、血管機能障害が認められます。

最近の知見によると、SARS-CoV-2ウイルスが肺内皮細胞に感染して微小血管透過性亢進を引き起こし、血管バリアを変化させ、凝固状態を促進し、血管内皮炎症を誘発し、炎症性細胞の遊走を媒介することで、COVID-19患者における呼吸窮迫と ARDSを引き起こし、次第に増悪させることが示唆されています。

致死性RNAウイルス感染動物モデルを用いたインフルエンザ/ARDS の前臨床試験において、AV-001は内皮細胞のタイトジャンクションを狭め、血管バリア機能を回復させ、血管透過性亢進をブロックすることで、血管機能を正常化させることが示されました

重要なポイントは、AV-001単剤療法では、未治療の対照群と比較して生存期間と肺機能が有意に改善されるが、抗ウイルス療法との併用により有効性はさらに増強されるという利点が示されたことです。AV-001は、中等度から重度のCOVID-19およびARDSの治療薬として開発されています。
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